dog351 初めて犬を飼う方はもちろん、ずっと犬と暮らしてきた方でも「初めて聞いた!」と驚くことも多い「犬の肛門腺絞り」

普段馴染みのない行為なので、お尻を絞るってどういうこと…?と、戸惑ってしまう気持ちも頷けますヾ(;´▽`A“

今回は、犬の肛門腺絞りの必要性について。
そもそも肛門腺って何?というところから、肛門腺絞りをしないとどうなってしまうのか、そんなところについて詳しくお話していきます。

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犬の肛門腺って何?なんのためにあるの?

肛門絞り、校門絞り、校門線絞り…などなど、様々な呼び方がありますが、正式には「肛門嚢(こうもんのう)絞り」と言います。とはいっても、サロンや病院などでも「肛門腺絞り」と呼ばれることがほとんどです。


犬のお尻、肛門の両側には「肛門腺(こうもんせん)」と呼ばれる臭腺(ニオイを出す腺)があり、ここに分泌液を溜める肛門嚢がくっ付いています。

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臭腺を持つ動物で有名なのが、スカンクです。
スカンクといえば、おならで攻撃するというイメージがありますよね~。スカンクは外敵に襲われたり、身の危険を感じた時に、臭腺から刺激臭のある液体を噴射して追い払う、という習性があるんです。


犬や猫が臭腺を持つ理由として、野生時代に外敵を追い払うために使われたり、マーキングをして自分のテリトリーを示すためだったという説があります。

肛門腺絞りが必要になった理由

dog335 本来、肛門腺を持つ動物は自力で分泌液を排泄できていました。
野生時代の犬もそうでしたし、祖先であるオオカミも肛門腺を持っていますが、自分で排出できています。

ですが犬が人と暮らすようになり、分泌液を撒く機会がなくなっていったことで、分泌液が溜まる肛門嚢を押し出すはたらきが、徐々に弱まっていったと言われているんです


お尻のチカラで押し出す!?

肛門腺に溜まる分泌液を排出するには、お尻の筋肉である肛門括約筋を使います。
大型犬や、お尻周りの筋肉が発達している子は、排便時に自力で肛門嚢を圧迫して分泌液を排出することが出来るのですが…

中型犬をはじめ、チワワやトイプードルなどの小型犬や、肥満気味のワンちゃん、シニア犬は、肛門腺を自力で絞り出す力を持っていないことがほとんどなんです。


もちろん個体差があり、大型犬でも肛門腺が溜まりやすい子や、反対に体の小さい子でも溜まりにくい子などもいます。
また普段は自力で排泄出来る子でも、便秘や下痢などの体調不良ストレスなどの要因によって、通常よりも肛門嚢に分泌量が溜まりやすくなる場合もあります。


肛門腺に分泌液が溜まった状態が続くと…こんな様子が見られるようになります。

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肛門腺を絞らず放置すると、どうなる?

お尻を気にするしぐさを見せる

肛門嚢に分泌液が溜まってくると、犬も「なんかおかしいぞ?」と気にするようになってきます。
お尻をズリズリと地面にこすりつけたり、尻尾の周辺を気にして噛んだり舐めたりすることも。溜まりやすい子だと1ヶ月程度で気になり始めるようです。

しきりに自分のお尻をペロペロしたり、尻尾を追いかけるようなしぐさが見られたら、肛門腺が溜まってきた合図だと思いましょう。


肛門嚢が炎症を起こす

肛門腺が溜まった状態で絞らずに放置していると、肛門嚢が炎症(肛門腺炎)を起こします。

これは肛門嚢に溜まった分泌液に細菌が繁殖することで起こり、肛門周りの皮膚が赤くなったり、荒れたりし始めるのが特徴です。
このまま炎症がひどくなると、肛門付近が腫れ、痛みを伴うようになります。発熱したり食欲がなくなることや、肛門の痛みから排便をガマンするようになってしまうことも。


肛門嚢が破裂!?

肛門嚢にはどんどん分泌液が溜められていくため、最悪の場合はパンパンになった肛門嚢が破裂し、お尻の皮膚に穴が開いて出血してしまうことがあります。

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肛門腺が溜まって炎症を起こしたら、焦らず動物病院へ。
抗生物質を服用したり、1~2週間ごとに分泌液を絞って肛門嚢を空にし、中を洗浄するという治療法などもあります。

病気を予防!肛門腺絞りの頻度は?

肛門腺炎などの病気を予防するためには、とにかく「定期的に肛門腺絞りをしてあげる」こと!

体質によって、平均よりも肛門嚢が溜まりやすい子もいます。肛門腺絞りの頻度は月1回が理想ですが、最低でも2ヶ月に1度はやってあげたいものです。
最初は難しいですが、コツを掴めばおうちでも肛門腺絞りをすることはできますよ!

おうちで肛門腺絞りをする時のやり方とコツについて、図解付きで解説しています。
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今回は、おうちで出来る肛門腺絞りの手順とコツについて!トリミングや動物病院にお願いしがちな肛門腺絞りも、コツを掴めば自分で出来るんですよ~。ぜひ、試してみて…(続きを読む)


肛門腺絞りは動物病院でも行ってくれますし、トリミングサロンでも単品メニューに入っていることが多いので、自分ではちょっと…という時には、積極的にお世話になりましょう。

その時に、自分で絞るコツなどを教えてもらうのも良いですね♪


私たち人間には馴染みのない「犬の肛門腺」ですが、知らないまま放置しているとある日突然…なんて事も有り得ます。病気を未然に防ぐためにも、定期的な肛門腺絞りを忘れずに!

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犬山 はる子

犬山 はる子

パピーウォーカーの経験から犬に関心を持ち、犬の問題行動やストレスケアについての知識を深める。 現在は3頭の犬と暮らし、犬が与える癒しのパワーに日々お世話になっている。