飼い主さんが夜寝ようと準備し始めると、なぜか寝てくれなくなる愛犬。
そわそわと歩き回ったり、ケージの柵をカリカリ引っかいたり、興奮した様子で暴れまわったり。しまいには吠えるようになって、これでは飼い主さんも寝ていられません。
こんな風に、夜眠りたい飼い主さんに反して、いつまでも愛犬が寝ないというお悩みをよく耳にします。
寝ないし落ち着かない愛犬に付き合っていると、睡眠不足で朝がつらいのは飼い主さんですよね。
どうしてうちの子は夜寝ないんだろう…。毎晩そんな状態が続くと、お互いにストレスが溜まってしまいます。
ということで今回は、犬が夜寝ないと悩んでいる飼い主さんのための解決策。
なぜ犬が夜寝ないのか、その理由や原因、愛犬を落ち着かせてしっかり寝てもらうための対応策について紹介します。
犬は夜行性だから夜寝ない?
「犬は夜行性」という言葉もどこかで聞いたことがありませんか?実はこれ、犬ではなくオオカミの話なんです。
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犬は夜行性なのか?昼間に寝るのは睡眠時間が独特だから?
人と一緒に暮らす犬は、きちんと夜も寝ます。
「夜行性だから寝ないのか…」と諦めてしまわず、愛犬が夜眠れないでいる本当の原因を見つけてあげましょう!
僕たち人間の平均睡眠時間は6~8時間程度ですが、成犬の平均睡眠時間はなんと12~15時間。成長期の子犬は18時間以上眠るので、文字通り1日のうちほとんどを寝ていることになります。
* 子犬(0~1歳まで):1日18~19時間程度と長く、眠りが深い
* 成犬(1~7歳程度):1日12~15時間程度で、大型犬の方が長い傾向
* シニア犬(8歳~):疲労回復に時間がかかるため、1日18~19時間程度の睡眠が必要引用元: 犬の睡眠からわかる健康状態や気持ち
人間以上にたくさんの睡眠を必要とするはずの犬が、夜寝ないというのは、やはり異常なことなんですね。
犬が睡眠不足になると、人間と同じくストレスが溜まり、それまでに見られなかった問題行動が目立つようになることもあります。無駄吠えや破壊行動など、もしも「前はこんなことしなかったのに」と気になっているのなら、既に睡眠が足りていなくなっているのかも知れません。
人間もそうですが、睡眠不足は体力や免疫力の低下を招きます。
愛犬が病気を発症してしまうリスクが高まる前に、しっかり夜寝てもらうための対策を練りましょう!
なぜ愛犬は夜寝ないのか?原因を探ろう!
毎晩のように、夜寝る時間になっても愛犬がいつまでも寝ない。こんな状況に陥っているの、この4つのうちどれかが原因になっているケースが非常に多いんです。
- 新しい環境に慣れていない
- 眠る前の習性によるもの
- 寝床が安らげない環境にある
- 運動不足
順番に、詳しい原因と対策方法について紹介していきますね!
寝ないのは新しい環境に慣れていないから
犬が寝なくて困っているというお悩みの原因として、最も多いのが犬が寝床の環境に慣れていないことが挙げられます。まずよくあるのが「おうちに迎えたばかりの子犬が夜寝ない」というケースです。
ケージやベッドもきちんと用意して、今日からここがあなたのお家だよ~と子犬を迎え入れたものの…。その日の夜から、子犬が全然寝ないうえに夜泣きがすごい!と、思わぬ事態に頭を抱える飼い主さんがたくさんいます。
初めて犬を飼う人や、久しぶりに子犬と触れ合うという人にとって、この時期の夜泣きはなかなかの難関なんですよね。
先程紹介したとおり、子犬は成犬に比べてさらに多くの睡眠時間(1日18~19時間)を必要とします。眠っている間に体がつくられていくので、健康に育ってもらうためにも子犬の時期の睡眠不足はなんとしても避けたいところなんです。
家に来たばかりの子犬が寝ないという場合の対策は、こちらの記事で詳しく解説しています。
次に、引越しなどで愛犬の周囲の環境がガラっと変わってしまった場合も、これに当てはまります。
引越し以外でも、家族が増えたり、もしくは一人暮らしなどで家族が家を離れてしまった場合も、愛犬は大きな変化として感じます。
この場合は、愛犬が今の環境に馴染んでくれるまで見守ってあげるのが一番です。
もちろん、不安にならないように愛犬との時間をしっかり取ることや、なかなか眠れないでいるようならケージの横に布団を敷いて一緒に寝てあげるのも良いでしょう。
実体験:引越しは犬も大きなストレスになる
僕自身が以前引越しをした時に、ストレスで愛犬が膀胱炎を起こしてしまった経験があるのですが、やはり引越してから数日間は愛犬も落ち着かない様子でした。
普段から夜寝るときにケージの扉を開けておいてもひとりで寝ていることが多かったのが、引越し後数日間は夜になると僕の布団に潜ってきて、くっついて眠る様子が見られました。
自立心が高い子だと思っていましたが、やはり新しい環境に不安だったんでしょう。一週間くらいで落ち着いたのか、またひとりで寝るようになりましたが…。
環境の変化は犬の不安感やストレスになりますし、これも夜寝ない・眠れないという行動に繋がるのだと感じましたね。次に引越しする機会があれば、その時は愛犬のストレスケアを第一に考えたいと思っています。
夜落ち着かないのは習性のせい?
うちの子はもう大人だし、環境も特に変わっていないのに…。なぜか夜寝る前になると活発になる。なんで?
このパターンで考えられるのが、犬の習性による行動が興奮しているように見えているというケースです。
例えば、寝床のクッションやベッドを激しく前脚で掘るようなしぐさが見られるなら、それは犬の本能の名残です。
犬の祖先であるオオカミは、巣穴を掘って寝心地の良い寝床に仕上げてから眠ったそうです。犬にもその習性が残っていて、寝る前に激しく床をホリホリ引っかいているのは、言うなれば落ち着いて眠るためのおまじないのようなものなんですね。
なので、それを無理に飼い主さんがやめさせると、犬はいつまでも落ち着けず、その結果寝ないで起きているということになってしまいます。
また、寝る時間になると愛犬がいつも部屋の中をウロウロと歩き回ったり、落ち着かない様子があるとしたらそれも犬の習性のひとつ。
これは、眠っている間に危険はないか、敵は来ないか、安全を確保するために寝床の周囲をパトロールしているんですね。
この安全確認作業も、祖先であるオオカミが外で眠る前に必ずしていた身を守るための行動です。その名残なので、こちらも無理に飼い主さんがやめさせない方がよいでしょう。
危険はないな!と愛犬自身が納得できたら、自然と眠ってくれるはずです。
寝床が安らげない環境にある
犬の聴力は僕たちよりもずっと敏感で、僕たちが気にならない程度の音でも犬にとっては「気になってしかたない!」こともあります。例えば、大きな雨風の音や雷の音。近くの道路を走るトラックの音など。大音量のテレビの音も、犬は人間以上にうるさく感じているはずです。こういった音を気にしたり、聞いたことのない音なら不安に感じたりすることで、寝床やケージで落ち着いて眠れないでいるのかも知れません。
特に、家に迎えたばかりの子犬はあらゆることを警戒しやすく、ちょっとした物音にも過敏に反応してしまう子が多いですね。
この理由から夜眠れないようでいるなら、寝床を安心して眠れるよう整えてあげるのが一番の方法です。
外の音が入ってきやすい窓側や、テレビやスピーカーから離れた場所にケージやベッドを移動させるのも効果的です。
また、狭くて暗いところで好んで眠る犬が多いので、寝るときにはケージに布をかけてあげたり、照明を暗くしてあげるなど、愛犬が落ち着いて眠れる環境を整えてあげることも忘れずに。
最近はケージフリー(ケージを使わない)のご家庭も増えましたが、床にぽつんとベッドを置いただけでは落ち着いて眠れる環境とはあまり言えません。家具と家具の間にベッドを置いたり、何か仕切りになるようなものでベッド周りを囲んであげるだけで、犬にとっての安心感がグンとアップします。
犬が落ち着ける場所として、クレートを使うのもおすすめです。
運動不足で寝ないのかも
お昼間はよく昼寝をしているのに、夜になると途端にテンションが上がって落ち着かない。とにかく全然寝ない。
このパターンの犬が夜寝ない理由はただ一つ、運動不足なこと。
必要な運動量が足りてないから、体力が有り余っていて、夜もテンションMAXになっちゃう。
めちゃくちゃ元気なのに、そのまま寝ろとか無理。飼い主なんで寝てるの?これから遊ぶんでしょ?起きて!!、な状態なんですね。
愛犬自身にまったく悪気はないのが、よ~く分かるかと思います。
僕の愛犬も、あまりに夜寝ないしうるさいしで悩んでいた時期があったのですが、「そういえば最近散歩の時間が少ないかも…」と気が付いたんです。
というのも、愛犬が夜あまり寝ない状態が気になったのが夏の暑い時期のことでした。
うちはミニチュアダックスなので、一般的な犬種に比べて足が短く夏の地面の輻射熱を受けやすいタイプです。そのため、夏場の散歩は、熱中症の心配もあって短め早めの時間を意識していました。
恐らく、そのせいで体力が余ってしまったんだと思います。
周りの犬友達に相談してみると、夏場や梅雨など、散歩時間が少なくなりがちな時期ほど、夜寝ない犬が増えがちなことが分かりました。
散歩の時間や距離を増やせそうにない時期でも、少しの工夫で運動不足やストレスは解消できます。
実際に試してみると、あんなにも夜寝なくて困っていた愛犬がウソのように、僕が寝る時間には静かに寝てくれるようになりました。
ということでここからは、運動不足ぎみな愛犬をしっかり疲れさせる為の散歩の工夫について紹介していきます!
寝ない愛犬を寝かせるための散歩テクニック
まずは散歩の時間と距離を増やす
犬種ごとの散歩時間のめやすはネットや本などにも書かれていますが、これはあくまでも平均的な数字です。僕たち人間でも、同じような体格なのに体力がある子やそうでもない子がいるように、犬にも同じ犬種でも個体差があります。僕の知り合いのところのチワワちゃんなんて、小さいのに毎日1時間ほどは足取り軽くお散歩に行くそうですから…。
たまにペットショップなんかで「小さいからお散歩はいりませんよ」とか言っているのを聞きますが…。ドッグトレーナーさんに聞いたところ、ああいった言葉を鵜呑みにして飼い始めて、散歩に行けないためにストレスが溜まりまくって強烈な問題行動犬になっている子、結構いるそうです。小さい子でも散歩はしっかり行きましょう。
愛犬が満足する散歩時間は、その子によって違ってきます。
まずはそれを見定めるために、散歩の時間を小刻みに増やしてその都度様子を見ましょう。
30分なら40分へ、60分なら70分へ、など10分刻みで増やしていくと、犬が満足する散歩量が把握しやすく、飼い主さんの負担もそこまで大きくなりにくいですよ。
散歩の距離よりも質を重視する
長い距離を歩けばもちろん疲れますが、犬の性格によってはたくさん歩くのは苦手な子もいます。また、それに付き合う飼い主さんの体力との兼ね合いもあるので、むやみに距離を伸ばすのも難しいところですよね。
愛犬と楽しく歩ける散歩距離の目処がついたら、次は散歩コースを見直しましょう。
散歩する場所にメリハリをつけてあげると、それだけで犬の脳への刺激になり、心身ともに心地よく疲れてくれるんです。
- 交通量や人通りの多い道を通る
- 公園の草むらなど、匂いかぎがたくさんできる場所を通る
- 同じ散歩コースばかりを通らない
ボール投げやおもちゃのトッテコイ遊びが好きな子なら、公園など広い場所でおもちゃを使って遊ぶ時間を作ってあげると、より愛犬の心と体が満たされますよ。
若い犬ほど体力が有り余っているので、しっかり散歩をさせて体を動かすことを意識しましょう。
もちろん、散歩から帰ってきてまだ元気が残っているなら、家の中でもおもちゃを使ってたっぷり遊びます。
夜寝ない犬には理由がある!正しいケアを
健康な犬は夜もよく眠るもので、夜寝ない状態が続いているのはなんらかの問題がある証拠といえます。寝床は落ち着ける状態か、運動は足りているか、何か愛犬が不安になるような出来事はなかったか…など。飼い主さんがその原因を探ってあげることが大切です。
「寝ないのか、眠れないのかどっち?」「体で気にしているところはないか?」など、愛犬のことを注意深く観察してあげて下さい。
愛犬と飼い主さんが、ぐっすり夜眠れますように!
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