みなさんの愛犬は草を食べますか?
うちは現在二頭の小型犬がいますが、一頭目の子が草食にまったくの興味がないタイプ。小さな頃から「草?食べませんけど?」みたいな様子でした。

それに対して、最近うちにやって来た、maruと同じロングコートチワワのcota。
この子が、もうめっちゃくちゃ草を食べるんですよね。

草むらをクンクンする程度のmaruとは違って、cotaは草をむっしゃむっしゃ。子犬特有の「なんでも口に入れたい期」なのかなと思っていたけど、もうすぐ1歳になるという頃でもまだ草をむっしゃむっしゃ

とにかく、草をぶちぶちと引き抜く勢いで食べている姿にポカーン…。
いざ犬の草食を目の当たりにすると、これほんとに食べさせていて大丈夫か?と不安になりますね。我が身をもって痛感しました…。

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そもそも、何故犬は草を食べるのか?
散歩中で自由に草を食べる姿を「サラダバーしてる」なんて揶揄したりするけれど、果たしてサラダバーさせていて良いものか。
「犬が草を食べるって正常なの?」「このまま草を食べさせていいのだろうか」という不安は募ってきます。

気になって仕方ないので、犬が草を食べたがる理由について獣医師さんに相談した時の話や、草を食べさせたくない時の対策法などについて調べてみました。

散歩中に愛犬のサラダバーが止まらないと心配な飼い主さんは、参考にして頂ければと思います!

草を食べる犬は変?異食症なの?

まず「うちの子、草を食べるんですけど変ですか?」と、かかりつけの動物病院で相談してみました。
すると、そうではないと思うけど…という前提で、獣医師さんが話してくださったのが「異食症(いしょくしょう)」という病気について。


石やおもちゃ・金属片など、それが食べ物ではなくても、目に入ったものなら何でも口に入れて食べてしまう症状は「異食症」と診断されるようです
誤って飲み込んでしまう誤食・誤飲とは違って、異食症は病気のひとつ。ストレスや寄生虫、何らかの他の疾患によって起こることがほとんどだそう。

ただ、犬が草を食べる行為が「異食」になるのかと言ったら、実はそうでもない。
とある調査によると、およそ8割の犬が何らかの植物を食べたことがあるという結果が出たのだとか。結構みんな食べてるんだなあ。


草を食べている様子を観察しよう


確かに、草を食べているcotaの様子を観察していると、匂いをかいだり鼻先で感触を確かめたりしてから口に運んでいる様子が。
石や時々落ちているプラスチックのような破片は口に入れようともしないし、植物の実の殻や枝なども、口に入れて確かめてからペッと吐き出す姿もよく見られました。

明らかに、食べるものを選んでる…!ということで、何でも見境なく口に入れる異食症ではない様子。それが草だと認識して食べているようです。

もしも、愛犬が草を食べて困ってるという飼い主さんがいたら、草だけを食べているのかそうでないのか観察してみて下さい。道端の石や落ちているゴミも見境なく食べている様子があるなら、異食症の可能性があります。一度動物病院で相談してみましょう。

なぜ犬は草を食べるのか?

ということで、犬が草を食べる行為そのものは異常ではないと分かりました
だったら、なおさら気になってくるのが「なぜ犬は草を食べたがるのか」というところ。

異食症の例を挙げてくれた獣医師さんにも聞いてみましたが、犬が草を食べる理由はよくわかっていないとのこと。えっ、そうなの!?

もしかしたらこんな理由かも、と推測される例はいくつかあるようですが、明確な証明はされていないそうなんです。

今のところ、犬が草を食べたがる理由として考えられているのがこちら。

  • 胸焼けや胃もたれがするから吐くため
  • 草に含まれるビタミンや葉酸を摂取するため
  • 単に楽しいから食べている

順番に、詳しく解説していきますね。

吐くために犬は草を食べるのかも

この理由で犬が草を食べるのは、ほとんどが「胃もたれを解消したい」「オエっと吐いてすっきりしたい」ためです。

私たちが「胸焼けする」「胃のもたれ」など、胃の不調を感じたときって、自分で胃薬を飲んだりして対処すると思います。
犬達はそれが出来ない代わりに、胃を刺激するような草を本能的にチョイスして食べているのかも。というのがこの説です。


吐くために食べる、というと想像しづらいかも知れませんが、分かりやすいのが猫の毛玉吐き。

猫は自分の被毛をなめて毛づくろいするので、毛を飲み込んでしまうことがよくあります。そのため、先のとがった草(いわゆる猫草)を食べて胃を刺激し、胃に溜まってしまった自分の毛を草と一緒に吐き出す習性があるんです。犬は毛づくろいをしないので、毛玉を吐くために草を食べているようではなさそうですが…。


草を食べて吐かない時もある


ただ、草を食べる犬みんなが、草を食べた後に嘔吐しているわけでもありません。
草をバクバク食べた後も吐かずに元気な子もいるし、同じ子でも吐いたり下痢になったりすることもあります。

うちの子でいうと、草を食べても少量であれば特に吐かないし元気なまま。ウンチに繊維っぽいものが混じっていることがあって、これが食べていた草かなと気付くこともあります。
反対に、たくさん草を食べたあとは、数時間後にオエエっと吐き出すことも何度がありました。

吐き気があったから草をたくさん食べて吐いたのか、草をたくさん食べたから吐いてしまったのか、どちらが正解なのかは分からないのがちょっと心配です。

足りないビタミンを草で摂取したい

犬の先祖であるオオカミは、主に草食動物を捕食して栄養を取っていました。
肉食動物が食べるのは獲物の肉だけでなく、草食動物の胃の中の草も一緒に食べることで、肉類だけでは足りない葉酸などのビタミンを摂取していると考えられています。

その名残から、犬もフードで足りていない栄養素を補給するために、草を食べるのでは?という説があります。

葉酸が多く含まれているのはレバー、緑黄色野菜、果物など。
普段のごはんにこういったものを少し足してあげると、草を食べる頻度が減るかも?と、獣医師さんにはアドバイスされました。


良質なフードであればこの心配はない?


ただ、最近のドッグフードは栄養価が高いので、この理由で草を食べている子はそんなに多くないのでは…と個人的には思います。もしくは、栄養価の高いフードでもその子の消化力には合っていなくて、せっかくの栄養をうまく吸収出来ていないのかも
この場合は、フードを変えてみることで草を食べる頻度が減る可能性はあります。


ちなみにうちのチワワズは手作り食なので、先ほど挙げた緑黄色野菜やレバーなどの食材は普段から食べています。
それなのに、2頭のうち1頭は草を食べたがる。うーん。うちの場合は、栄養素が原因になっているわけではなさそうです。

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楽しいから草を食べている

うちの子は、もしかしたらそうかも…。
と思ったのが、この説。

草をむしゃむしゃする時の口触りが面白かったり、ぶちぶちと草を引きちぎったり、そうやって食べるのが楽しいからそうしている。ただそれだけ。

笑ってしまうような理由ですが、意外とそうかも知れません。


楽しそうな様子で食べているなら遊びの延長と思って、少し見守っておくのもアリだと思います。
反対に、飼い主さんが呼びかけても応じず、一心不乱にひたすらむしゃむしゃと草を食べる様子が見られるなら「楽しいから」ではなさそうです

胸焼けや胃のもたれを感じて草を食べているかもしれないし、ストレスが原因で異食症になりかけている可能性もあります。


草食べ中の反応を観察してみよう


cotaの場合は草を食べている時でも、呼びかけると「よんだ?」と顔を向けてくれるし、口の中でくっちゃくっちゃと草を噛んでいても「だめ。出して」と指示すると吐き出してくれます。めちゃくちゃ不満げにですが。
こういった様子を見ると、うちの場合は遊びで草を食べているという理由が強そうな気がしてきました。

草を食べるのをやめさせるべき?

この後で詳しく紹介しますが、犬にとって毒性のある草や、除草剤などの危険がない草であれば、食べたがる愛犬を無理にやめさせる必要はないかなと思います。

かかりつけの獣医師さんは「最初は吐くためなどの理由で食べ始めたはずが、いつからか草を食べることが癖になったいる子もいる。きれいな草なら、ある程度自由に食べさせてあげてもいいのでは」と仰ってました。


調べてみると、「ペットグラス」「わんにゃん草」といった名称で犬猫用の食用草も売られていてちょっとびっくり。

お庭やベランダのプランターなどに、こういった食用の草を植えておいて食べてもらうのもいいかも知れません。

愛犬に草を食べさせないための方法

犬が草を食べたがる理由は様々ですが、食べさせたくない理由が明確にあるのなら、飼い主さんの手で制御することも必要になってきます。

普段のお散歩で、こんなところに気をつけてみましょう。

  • むやみに草むらに入らないようにする
  • 草むらから一定の距離を取って歩く
  • リードは短めにして持ち、愛犬と離れすぎないように
  • 口に入れたものを「ダシテ」で離させるようなしつけを行う

春先など暖かい季節になると、草むらに潜むノミやダニの心配もありますよね。
また、車がよく通る道なら、そこに生える草も排気ガスを吸っているわけだし、季節によっては黄砂やPM2.5のような物質が付着していることも。愛犬の健康を考えると、そういった場所の草は「食べさせない」に限ると思います。

草に近寄るから食べたがるというパターンも多いので、そういった時期は草むらの少ない散歩コースを選ぶのもいいでしょう。

犬が草を食べる際の危険性

除草剤や駆虫剤の危険

草そのものに毒性がないとしても、怖いのが草についた除草剤をはじめとした薬品です。

除草剤が散布されているかどうかは、目で見ただけでは分かりません。
公園など公共の場所で除草剤を散布した際には、看板などが貼り出されていることもよくあります。普段お散歩で立ち寄る公園があれば、そういった告知がないかよく確認しておきましょう。

毒性の強い薬剤は、匂いをかいだ時に鼻先に付くだけでかぶれたり、くしゃみやかゆみなどの反応が出ることもあります
散布作業が終わったあとも、出来れば数日間は散布された場所には近付かないのが安心かもしれません。

犬が食べてはいけない草がある

普段何気なく見ている草や花でも、犬にとっては有毒な植物だったりもします。
草だから食べても大丈夫!というわけではないので、こういった植物を見かけたら距離をとって近寄らないようにしましょう。

犬にとって有毒な植物(一部)

アサガオ(種子)、アジサイ(つぼみ・葉)、アロエ、水仙、ツツジ科、ユリ科(チューリップやスズランなど)、シクラメンなど

紹介したのはほんの一部ですが、種子や球根の部分が毒性が強くなりやすい傾向があります。チューリップヤスズランなど、すべての部分に毒性をもつ植物もあるので、舐めたりかじったりしないよう注意してあげて下さい。

犬が草を食べる理由は様々

私自身、一頭目の子がまったく草を食べないタイプの子だったので、二頭目に迎えた子が草をむしゃむしゃ食べ始めたときは本当にびっくりしました。

ただ、獣医師さんも言っていましたが「草を食べる行為そのものは病気ではないし、明確な理由は分かっていない」ということ。
胃もたれや胸焼けから草を食べてスッキリしようとしているのかも知れないし、栄養補給のためだったり、もしかしたら草を食べるのが楽しくて遊んでいるだけなのかも。

特に、暖かい季節は除草剤などの散布が急増します。除草剤や化学物質に汚染されていそうな草むらや、毒性のある植物の周辺には近付かせないなど、飼い主さんが普段から気をつけてあげましょう!

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まるまむ

まるまむ

初めて迎えた愛犬チワワのMaruと暮らしながら、犬の幸せについて日々考えている。 愛犬の肉球の香りが、世界で一番癒される香りらしい。