私たちが普段何気なく食べているものでも、犬にとって毒になる食べ物は意外と多いもの。
例えば「犬にネギ類はダメ」というのは有名な話ですが、それ以外にも愛犬の命を脅かす、危険な食材はたくさん存在しています。
今回は、犬が食べると危険な食べ物について。
時に命を落とすこともある、致死性の高い食べ物や、中毒を起こす原因や症状などについて、詳しくお話していきます!
犬が食べると中毒に?意外な食べ物も
外飼いが当たり前だった昔に比べ、今では同じ部屋の中で愛犬と過ごす、という家庭が増えました。また、それによって人の食べ物を誤食してしまったり、飼い主さんもついつい自分の食べ物を与えてしまう…といったケースも起こりがちです。
これから紹介していく犬にとっての危険食材は、愛犬の健康を害すだけでなく、時には命を奪ってしまう凶器にもなり得るものばかりです。取扱いには充分注意して、うっかり食べさせてしまうことのないようにしましょう。
ブドウ、レーズン
症状:
元気消失、嘔吐や嘔吐、多飲多尿、急性腎不全
元気消失、嘔吐や嘔吐、多飲多尿、急性腎不全
ブドウと犬の中毒による因果関係はまだはっきりと解明していませんが、ブドウを乾燥させたレーズンを食べた犬が腎不全を起こしたことから発覚しました。
中毒を起こすとされる量は、体重1kgあたり生のブドウなら32g(小さめ一房)、レーズンなら11~30g。
同じ量を食べても、重い症状が出てしまう子もいれば、まったく平気な子もいるようで、耐性にはかなりの個体差があるようです。
銀杏(ぎんなん)
症状:
消化不良、嘔吐や下痢、痙攣、ふらつき、発熱、意識混濁
消化不良、嘔吐や下痢、痙攣、ふらつき、発熱、意識混濁
銀杏に含まれるメチルビリドキシンという毒素によって、犬が中毒を起こすとされています。
あまり注目されていませんが、銀杏は犬にとって毒性の高い食べ物なんです。
銀杏の毒性や、食べた時の対応方法についてまとめました。
コーヒー、緑茶などのお茶類
症状:
興奮、頻脈、不安、嘔吐や下痢、痙攣、失神、呼吸困難
興奮、頻脈、不安、嘔吐や下痢、痙攣、失神、呼吸困難
該当する食べ物:
コーヒー、緑茶、紅茶、ウーロン茶、ほうじ茶、ココア、コーラなど
コーヒー、緑茶、紅茶、ウーロン茶、ほうじ茶、ココア、コーラなど
コーヒーやお茶に含まれる「カフェイン」によって、犬の神経を異常に興奮させたり、けいれんを引き起こす要因になります。
体重1kgあたりカフェイン20㎎(緑茶に換算すると体重2kgで200ml)接種すると、カフェイン中毒を起こすとされています。
コーヒーやお茶には苦みがあり、ワンちゃんが好んで飲むことはあまりないと思いますが、コーヒー豆や茶葉を誤食して中毒になるケースも少なくないようです。
マカダミアナッツ
症状:
元気消失、嘔吐、高熱、筋硬直、ふるえ、心拍の増加
元気消失、嘔吐、高熱、筋硬直、ふるえ、心拍の増加
該当する食べ物:
マカダミアナッツ、マカダミアナッツ入りのチョコやクッキーなど
マカダミアナッツ、マカダミアナッツ入りのチョコやクッキーなど
アーモンドやピーナッツなどに比べて、マカダミアナッツはナッツ類の中でも特に中毒を起こしやすいとされています。他のナッツ類との違いは明確にされていませんが、犬が誤食することで数々の中毒症状を引き起こします。
チョコレート、ココア
症状:
下痢や嘔吐、不整脈、痙攣、発作、呼吸困難、突然死
下痢や嘔吐、不整脈、痙攣、発作、呼吸困難、突然死
該当する食べ物:
チョコレート、ココア、カカオ類
チョコレート、ココア、カカオ類
チョコレートなどの原料になる「カカオ」に含まれる、香り成分の一つである「テオブロミン」が犬にとっての猛毒になります。
テオブロミンが中枢神経を刺激することで、嘔吐や下痢、痙攣、呼吸困難を引き起こし、命を落とすことも。小型犬だと小さな板チョコ1枚で致死量に達するため、チョコレート類の取扱いには充分気を付けましょう。
タマネギ、ニンニク、ニラ
症状:
嘔吐や下痢、血尿、肝臓肥大、その他貧血症状、突然死
嘔吐や下痢、血尿、肝臓肥大、その他貧血症状、突然死
該当する食べ物:
タマネギをはじめとした、ゆり科の植物(ニラ、ネギ、ニンニク、エシャロット、ラッキョウ)
タマネギをはじめとした、ゆり科の植物(ニラ、ネギ、ニンニク、エシャロット、ラッキョウ)
「玉ねぎは犬に与えてはダメ!」と言われる理由は、犬にとって猛毒になる成分がタマネギに含まれているからなんです。
代表的なものがアリルプロピルジスルファイド(ネギ特有のにおいがします)という成分で、これが犬の体内に入ると、血液に含まれる赤血球を破壊し、溶血性貧血を引き起こします。
この毒性成分は加熱しても変化せず、玉ねぎが入った味噌汁など、成分が溶け出したスープだけを飲んでも、タマネギ中毒を起こすワンちゃんもいます。
アルコール
症状:
嘔吐や下痢、中枢神経系の抑制、ふるえ、意識障害、血圧低下、痙攣、呼吸障害
嘔吐や下痢、中枢神経系の抑制、ふるえ、意識障害、血圧低下、痙攣、呼吸障害
該当する食べ物:
チューハイ、ビール、ワイン、日本酒、ウイスキーなどのアルコール全般
チューハイ、ビール、ワイン、日本酒、ウイスキーなどのアルコール全般
アルコールが犬の体内に入ると、中枢神経に作用し、人間と同じく酔っぱらう状態になります。そのまま昏睡状態に陥り、死んでしまうケースも後を絶ちません。
犬のアルコール致死量は5.5~6.5ml/kg程度とされており、アルコール度数25%の焼酎であれば体重1kgあたり30mlの計算になります。
ですが、アルコールの耐性にはかなり個体差があり、一般的な致死量に達していなくとも重い症状を引き起こすことは充分有り得ます。愛犬が欲しがったとしても、絶対に与えないようにして下さいね。
実は危険!キシリトール
意外と知らない人も多いのが、「キシリトール」です。最近はキシリトール入りのガムが増え、それを犬が誤食してしまうことで中毒を起してしまうケースが非常に増えているようなんです。
症状:
血糖値の低下、嘔吐、歩行困難、内出血、肝不全など
血糖値の低下、嘔吐、歩行困難、内出血、肝不全など
該当する食べ物:
キシリトール入りのガム、タブレット
キシリトール入りのガム、タブレット
キシリトールが犬の体内に入ると、インシュリンの分泌が強力に促進され、その結果血糖値を下げ過ぎてしまいます。低血糖の症状が出るほか、急性肝不全を発症するケースなども報告されています。
イチゴやレタスにも微量のキシリトールは含まれていますが、イチゴやレタスで中毒を起こす量を食べるのはまず不可能なので、そこは安心して下さいね。怖いのは、キシリトールの成分に特化したガムやタブレットです!
<参考>
須崎動物病院 – キシリトールで残念な事故→イチゴやレタスが危険?
人の食べ物を与える時は、まず確認を!
今回は、犬にとって特に毒性の高い食べ物について紹介しました。ぶどうやマカダミアナッツなど、毒性の詳細がまだ解明されていないものもありますが、健康被害が報告されているのは事実。可能な限り避けたい食べ物と言えます。
中毒やアレルギーの原因になりそうな物は、極力愛犬の口に入れさせないように…目新しい物を食べさせるときは、それが犬にとって大丈夫な食べ物かどうか、まず調べてみるのが安心ですね。
最新情報をお届けします
Twitter でwandoをフォローしよう!
Follow @wando_dogThe following two tabs change content below.
犬山 はる子
パピーウォーカーの経験から犬に関心を持ち、犬の問題行動やストレスケアについての知識を深める。
現在は3頭の犬と暮らし、犬が与える癒しのパワーに日々お世話になっている。
最新記事 by 犬山 はる子 (全て見る)
- その病気ケガはペット保険の支払い対象外かも?トラブルを避ける保険の選び方。 - 2019年4月7日
- 犬の喧嘩を止める!止め方や仲裁のコツと喧嘩後のフォローについて - 2019年4月3日
- 犬の喧嘩は止める・仲裁するべき?じゃれる姿との違いは? - 2019年4月1日
- 犬が餅を食べたら危険?大丈夫な場合と緊急時の吐かせ方について - 2018年12月24日
- 愛犬のための年末年始・大型連休の準備。もしもの時はこれで安心! - 2018年12月8日