病気や事故、老衰などでもない、犬の「突然死」はなぜ起こるのでしょうか。
朝起きたら愛犬が目を覚まさなかった、留守番中に息を引き取っていた、さっきまで元気だったのに突然倒れてそのまま…。こんな風に何の前触れもなく、突然やってくる別れ。
今回は、犬の突然死の原因や未然に防ぐための対策について。
突然死に多いとされる病名や、僕たちができる対策や愛犬の健康管理のポイントについて、詳しくまとめました。
犬の突然死の原因は何がある?
事故や病気であれば、死んでしまった原因がはっきりしているので、少しずつでも心の整理をつけやすいもの。でも「突然死」となると、あまりにも突然すぎて、唐突に突きつけられた現実に混乱し、現実を受け止められなくなる場合がほとんどです。きっと誰もが「なぜこの子が?」と思うでしょうし、愛犬が死に至った原因を突き止めたくなるはずです。
突然死について、動物病院では多くの場合「病死」として扱われます。
とはいっても、その具体的な病名をはっきりと知る方法はなく、仮に病理検査をお願いして解剖したとしても、実際に突然死の原因を特定するのはかなり困難なのだそうです。
ここからは突然死の可能性のひとつとして、原因に多いとされる病名、突然死の起こりやすい時期、注意したい犬種などについてお話していきます。
心臓が原因の突然死
犬の突然死について、まず最初に疑われるのが心臓の病気によるものです。心不全、心筋梗塞、心臓発作、心臓肥大など…僕たち人間でも診断されると、これはかなり危険だなと感じる病名ばかりですよね。
また、犬特有の心臓に関する病気である「フィラリア」も、忘れてはいけません。
蚊を媒介にしてフィラリア(犬糸状虫)が心臓やその周辺に寄生し、突然死を起こす原因になり得ます。
心臓疾患による発作・失神を起こす症状として、失禁や嘔吐、泡を吹くなどの様子が見られます。普段の愛犬にそんな様子は見られなかったか、留守番中にその形跡はなかったか、思い出してみましょう。
胃捻転が原因の突然死
「胃捻転による犬の突然死は、死因全体の11.7%を占めている」という、アメリカのとある機関の調査結果を調べていて見つけました。まさに、10匹に1匹の割合。胃捻転で死んでしまう犬が、こんなにもいるなんて…。驚きでした。僕たちにとっては馴染みのない病気ですが、胃捻転は犬にとって命にかかわる危険な病気なんです。
胃捻転とは?
胃がねじれてしまうことによって、胃の内容物が腸や食道に移動することができず滞留します。胃の中で発酵した内容物からガスが発生し、それによって胃がパンパンに膨らんでしまい、周囲の臓器を圧迫することで様々な弊害を引き起こします。膨らんだ胃で周囲の臓器や血管が圧迫されると、内臓組織が傷付けられて壊死したり、血液循環が悪くなることから、重篤な場合には心臓に血液が回らなくなり、数時間でショック状態となって命を落とすことも。
また、シニア世代になるにつれ、筋肉などが緩んで胃捻転にかかりやすくなる、とかかりつけの獣医師さんに聞いたことがあります。
お腹が異常に張っているのが特徴なので、そんな様子が見られたらすぐに病院へ連れて行ってくださいね!
これらの病気他にも、脳が原因とされるてんかんや脳炎、肺水腫、腎不全なども突然死の原因とされています。
突然死に注意したい犬種
突然死のリスクが高いとされている犬種には、まず「チワワ」が挙げられます。日本でのチワワの人気は高く、飼育頭数はここ数年の間上位3位に入り続けています。
飼われている頭数が多いということは、亡くなる子も多いわけで…それでも、他の人気犬種であるダックスフンドやトイプードルと比べても、原因が特定できない「突然死」がチワワには多いようなんです。
アップルヘッドといわれる丸い頭ゆえに、水頭症などの脳に関する病気を先天的に持っている子が多いことや、元々心臓が強くない犬種であることが、突然死に繋がる大きな要因といえます。
また、超小型犬と分類されるほどの小さな身体もチワワの特徴の一つ。
体の小さい子犬期には低血糖になりやすく、それが原因で突然死してしまうというケースも少なくないようです。
短頭種にも注意が必要
チワワ以外にも、鼻の短い「短頭種」といわれる犬種にも突然死が多いようです。短頭種とされる犬種
イングリッシュブルドック、フレンチブルドック、ボストンテリア、パグ、ペキニーズ、シーズー、ボクサー、キャバリア
その頭の形の特徴から呼吸器系の病気を発症しやすく、短頭種独特の呼吸器の問題によって突然死に至ることがあるようです。
胃捻転を起こしやすい犬種
また、上記で紹介した突然死の原因に多い「胃捻転」も、なりやすい犬種があります。胃捻転に注意したい犬種
コリー、ボルゾイ、シェパード、レトリバー種、ボクサーなどの大型犬種
ダックスフンド、トイプードル、ペキニーズ、コッカー・スパニエルなど
大型犬に比較的多い胃捻転ですが、中型犬や小型犬でも起こすケースがあります。また、痩せている犬や筋力が低下しやすいシニア犬にも要注意です。
日々のケアで愛犬の突然死を防ごう
突然死は気持ちの整理が難しく、自分を責めてしまう飼い主さんがほとんどです。「もっと早く気付いてあげていれば…」「定期的に健康診断を受けていれば、見つかったのかも」と、悔いる気持ちは当然のこと。
ですが、未だ100%解明できていない突然死の原因を、すべて防ぐのはとても難しいことでもあります。
ただ、愛犬が元気なうちに、日々の健康管理をしっかりと行うことで防げる事もあると思います。
おかしな様子はないか、食欲は変化していないか、フィラリアの薬を忘れずに与えているか…愛犬の出す小さなサインを見逃さないように、しっかりと向き合ってあげることが大切ですね。
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Eddy.J
一人暮らしの部屋で1ワン1ニャンと同居中。意外と涙もろい。夢は犬猫も一緒にくつろげるカフェを開くこと。
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