雄のミニチュアダックスフンドの愛犬エドモンが、うちに来たのは生後半年の頃。
彼にはその頃から、右側の玉(睾丸)が見当たりませんでした。
不思議に思って動物病院で検診してもらうと、触診していた先生が「右側、降りてきてないね~」と。
いわゆる、停留睾丸(ていりゅうこうがん)というやつでした。
そう珍しい症状ではないそうですが、停留睾丸には何かと問題があります。
愛犬が停留睾丸の摘出手術を受けた経験を元に、原因や危険性、適切な手術時期や、平均的な手術費用などについてまとめました。
停留睾丸(停留精巣)って一体なに?
人間や馬・牛とは違って、オス犬は睾丸がない状態で生まれてきます。正確には、体の中にはあるけど、まだ見える所にまで「降りてきていない」わけなんです。おおよそ生後1ヵ月半ほどで、本来あるべき、両足の付け根あたりにまで移動してきます。
成長の段階で出現するはずの睾丸が、片方しかない、両方ともない(降りてこない)という場合を、停留睾丸(停留精巣)と呼びます。
停留睾丸の原因は?
一般的に、停留睾丸が起こるのは遺伝による原因だとされています。両方とも睾丸が降りてこない場合は生殖できませんが、片方のみの停留睾丸の場合は、生殖が可能。
ですが、子供に停留睾丸の因子を遺伝させることになるので、繁殖させず、去勢することが推奨されているようです。
オス犬の玉が降りてこないのはダメなのか?
元々去勢させるつもりだったり、繁殖を望んでいなかった場合などには、停留睾丸はそれほど重要な問題でもないように思えます。僕の場合も「へえ、そうなのか」くらいの感覚で、そこまで心配するようなことではないと思っていたんですよね。
ですが今後、愛犬の体に危険が迫る可能性があると聞いて、180度考えが変わりました。
犬の病気の原因が停留精巣に?
そもそも、睾丸が体の外側にぶら下がっているのは、体温よりも低い環境で、正常な精子を作り出すため。それが体内に収まっているために、精子が作られないことに加えて、将来的に腫瘍化する可能性が高いのだそうです。適した温度ではない場所に留まることで、睾丸の細胞が徐々に変化し、腫瘍になるのだとか。
最近の研究データによると、停留睾丸が腫瘍化する確率は、去勢していないオス犬が睾丸腫瘍になる確率の約14倍に。
これは、なかなか無視できない数値じゃないでしょうか…。
腫瘍化というのは、ほとんどの場合が癌腫瘍になるそうで。
今は元気で問題がなくても、高齢になってから発病したら、治療に耐えられるだけの体力が残っているかも疑問です。
健康そのものな愛犬に、開腹手術を受けさせることは気が引けましたが…。
もしもの事も考慮して、悩み抜いた末に手術に踏み切ることにしました。
停留睾丸の手術時期や費用について
手術の話の前に補足しておくと、停留睾丸は成長と共に解消されることもあります。要は「降りてくるのが遅かっただけ」の場合ですが、これも生後1年半を過ぎると、期待は出来ないそうです。
僕の愛犬エドモンの場合、1歳を迎えた時点で、まだ片方の睾丸が降りてきていない状態でした。
あと半年待つ手もありましたが、元々去勢手術を考えていたこともあって、1歳のときに手術に踏み切ることにしました。
手術の時期はいつがベスト?
一番ベストな時期とされるのは、停留睾丸が判明した段階での手術です。とは言っても、先ほどお話したように、生後半年では停留していても、その後に降りてくる可能性は充分あります。
生後1年経っても降りてこないようであれば、そこで手術に踏み切るのが、タイミング的にも一番良いんじゃないかと個人的には思っています。
腫瘍化する可能性が高いとは言っても、若い時期に発症するのはごく稀なケースだそうです。
1歳だと、それなりに体も出来上がって、体力も付いているはずなので、手術の影響も少ないと思います。
停留精巣の手術費用について
停留睾丸(停留精巣)の手術の場合、どこに睾丸が停留しているかによって、手術方法が変わってきます。皮膚のすぐ下にあるようなら、その部分を少し切るだけで済みますし、反対にお腹の中にあるとすれば、メス犬の避妊手術のように開腹手術が必要になります。
費用の相場を調べてみましたが、小型犬の場合は30,000円前後が多いようです。
開腹手術(睾丸が腹腔内にある)になると、病院によっては一泊入院させるところもあります。その場合は入院費も加算されるのでご注意を。
そんなに珍しい手術ではないですが、麻酔も使うしお腹も開くので、信頼できる先生にお任せするのが一番良いと思います。
ミニチュアダックスフンドの愛犬の場合は、右の睾丸がお腹の中で停留していたため、開腹手術となりました。
入院費込みで36,000円。妥当な金額だと納得しています。
入院費込みで36,000円。妥当な金額だと納得しています。
手術するかどうかはよく考えて
僕のかかりつけの動物病院では、将来の病気リスクを考えて、停留睾丸は摘出する方針で飼い主さんに提案するそうです。ですが実際に調べてみると、「今すぐではなく、問題が起こってから対処しましょう」と思う獣医師さんも少なくない様子。確かに、必ず腫瘍化するわけではないし、何の問題もなく一生を終える子もいます。あくまでも、可能性の話ですから…
このあたりは、通常の避妊・去勢手術を良しとするかどうかの考え方に、少し近いように感じますね。
手術をしないという選択肢も勿論あります。その時は、こまめに検診に連れて行き、睾丸の位置や状態に変化がないかどうか、詳しくチェックしてもらって下さいね。
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Eddy.J
一人暮らしの部屋で1ワン1ニャンと同居中。意外と涙もろい。夢は犬猫も一緒にくつろげるカフェを開くこと。
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