dog296 犬のごはんを手作り食にすると、ドッグフードに比べてカルシウムが不足しやすいという話を聞くことがある。

ドッグフードから手作り食に切り替えたとき、一番心配だったのが栄養が不足してしまうこと。そのため、愛犬Maruのごはんには、煮干し(塩分不使用のもの)とゴマを粉末にしたものや、野菜でもカルシウム含有量が多いとされる小松菜を使うように心がけてはいます。

色々と工夫はしているものの、それでも「不足しやすい」と聞くと、やっぱり不安になってくるもので…。調べてみると、犬の手作り食に「卵殻パウダー」でカルシウムを補うという手があるそうで。

愛犬の手作り食を始めて、適切なカルシウムの量に戸惑う飼い主さんは、やはり多いらしい。
私もそうだったのだけど、結局はカルシウム補給のための卵殻パウダーを自作することで落ち着きました。与えない時もあるけど、やはり手元にあると安心です。

ということで、今回は犬とカルシウム補給について。
正しい犬のカルシウム必要量や、卵殻パウダーの作り方についてまとめました。

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犬の手作り食はカルシウム必要量に気を付けて!

最適な量は諸説あるものの、一般的な犬のカルシウム必要量は体重1kgあたり120mg

体重5kgの犬で、約550mgほどの計算になります。(ちなみに、成人男性のカルシウム必要量は約600mg)
もちろん個体差はありますが、犬は人間の約14倍のカルシウムを必要としているという説も。私たち人間より、犬はたくさんのカルシウムが必要なんだなあ、と頭の隅に置いといてもらえればと思います。


カルシウムとリン

愛犬の手作り食を始めてみて、ややこしいなあと思ったのが、栄養素が他の栄養素の吸収を邪魔することがあるという点。例えばカルシウムは、リンによって吸収が阻害されてしまう

カルシウムとリンの摂取量のバランスが崩れていると、適切な量のカルシウムを与えていたとしても、それがリンによって吸収阻害されてしまうんです。結果、カルシウム不足になってしまうわけで。

このリンは肉類に多く含まれています。手作り食の貴重なタンパク源は肉類なので、リンを安易に減らそうとすると肉類を減らすことになり、結果タンパク質不足になってしまう。これが栄養バランスの難しいところ。
こうなると、与えるカルシウムの量を増やすしかないのだけども…

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理想的なリンとカルシウムの割合は、リン1:カルシウム1.2~1.4 程度。

鶏のささみは100gでリンが220㎎も含まれるので、この場合のカルシウムの理想量は330mg~。例えばこれを牛乳で補給するとなると、400ccは必要な計算になる。

ただ、人間であれば「牛乳をたくさん飲もう!チーズや煮干し食べよう!」で何とかなりそうだけど、犬だとそうもいかないわけです。ちなみに、煮干しはカルシウム豊富だけどリンもたくさん含んでいます。


カルシウムの吸収率に気を付けよう

もう少し説明すると、カルシウムは含有食材によってカルシウムの種類が異なり、吸収率が変わってくる。

吸収率が良い順に並べると、こんな感じ。
  1. 乳製品 50%
  2. 小魚類 30%
  3. 卵殻パウダー 25%
  4. 野菜類 18%
カルシウムが多いとされる野菜でも、牛乳に比べると吸収率が格段に低い。
人間の食育でも「成長期には牛乳」なんて言われますが、これはそれになりに理にかなっていたようです。

ただ、牛乳を飲むとお腹がゆるくなる人がいるように、犬にも乳糖不耐症の症状が出る子は意外と多い。たまに牛乳を飲ませても平気な犬もいますが、牛乳に含まれる脂質やリンの量を考えても、牛乳が犬にとってのカルシウム補給食材に適しているとはちょっと言い難いところ。

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犬のカルシウム補給に卵殻パウダー!

ということで、一般的な食材だけで必要なカルシウム量を満たすのは、少々難しい様子。
愛犬はチワワという超小型犬なこともあって、安直に「たくさん食べさせる」のも物理的に難しいし…。

犬用のカルシウムサプリもありますが、それに頼り始めると無くなった時に困るし、そもそも「犬用」として製造されたサプリメントの安全性ってどうなの?という気持ちも拭えない。


あれこれ調べた結果、最終的に落ち着いたのが、卵の殻を砕いて作る卵殻パウダー
作るのは大変だけど、カルシウムが豊富だし、自分で作るので材料がはっきりしているから与えていて安心できるのです。

卵殻カルシウムは人の食品にも使われている



卵の殻に含まれるカルシウムの主成分は、吸収力が高い天然の「炭酸カルシウム」。
幼児用のおやつなどにも使われていて、卵殻未焼成カルシウムといった表記があります。

キユーピーマヨネーズで御馴染みのキユーピーさんにも、こんな記載がありました。

卵殻のカルシウムは多孔質な構造になっているのが特徴で、胃液で溶解されやすく、体内への消化吸収に優れています。さらにカルシウムの排出を促すリンの含有量も少ないため、理想的なカルシウム補給源といえます。

また、卵殻カルシウムには麺のコシをよくしたりスナック菓子の口当たりをソフトにするなどの効果もあるため、食品の食感や物性改良にも利用しています。


卵の殻に含まれるカルシウムの吸収率や、天然だからこその安心感の高さがよく分かります。
特別な食材を用意するわけでもないし、卵の殻だったら手軽に用意できますよね。

ということで、前置きが長くなりましたが私流の卵殻パウダーの作り方です!

卵殻パウダーの作り方

  • 水洗い・薄皮を剥がす

  • IMG_9764 卵殻の内側についているヌルヌルを洗い流し、内側の薄皮を剥がす。
    濡れている状態が剥がしやすいので、割ってすぐか、水に浸けておくのがおすすめ。

  • 一定量までこの状態で溜めておく

  • IMG_9753 水分を拭き取り、冷蔵庫に保存しておくと安心。
    めやすとして、卵1個分の卵殻で小さじ1杯の卵殻パウダーができます。

  • 茹でて煮沸消毒
  • IMG_9754 鍋にお湯を沸騰させて、卵殻を入れて5分ほど茹でる。
    口に入る物なので、しっかり煮沸消毒しておきたいところ。

  • 乾燥させる

  • IMG_9755 キッチンペーパーに取り、よく乾燥させる。
    自然乾燥でも良いし、時間がなければ電子レンジで短時間加熱するのもアリ。(その場合は焦げに注意しよう)

  • すり潰す

  • IMG_9756 すり鉢があればそれで根気良くすり潰す。コーヒーミルがあればそれも使えます。
    ミルサーがあれば、数秒で粉砕できて便利。ふりかけを作る為だけに買ったミルサーだけど、犬ごはんを作るのにミルサーは何かと役立ちます。

  • 茶こしで漉す

  • IMG_9759 すり潰したパウダーを茶こしで漉す。すると、まだ破片の大きな卵殻が混じっているのがよく分かるはず。
    初期はこの工程を省略してMaruに与えていたけれど、ウンチに卵殻が混じっているのを発見してからはひと手間加えるようにしました。すると卵殻の混じりが激減したので、細かければ細かいほど吸収されやすいのかも。

    茶こしに残った破片をまた砕いて、漉して…を繰り返すと、なめらかな卵殻パウダーが完成!

卵殻パウダーは、作ってから冷蔵庫で1ヶ月は保存できる。
砕く前に卵殻をしっかり乾燥させることで、カビ防止になります。


過剰なカルシウム摂取に注意

卵殻パウダーをたくさん与えてしまうと、うんちに白いものがツブツブとたくさん混じったり、全体的に白っぽくなったり、ひどいときは明らかにウンチが硬くなってしまったことがあった。

人間の赤ちゃんでも、吸収されないカルシウムが粒状になってウンチに混じることがあるらしい。粒々したものや色が気になる場合は、与える量を少し減らして様子をみてみよう。

過剰にカルシウムを摂らせると、便の水分が少なくカチカチになります。便秘の原因にもなるので、あげすぎは禁物です。

酢でカルシウムの吸収率を上げる!

カルシウムの吸収率を上げる一番簡単な方法は、お酢と一緒に与えること。
お酢といえばのミツカンさんのサイトにも、こんな記載があった。

カルシウムは現代の日本人がどうしても不足しがちな栄養素です。
お酢の主成分である酢酸には、そのカルシウムを体内に吸収しやすくする働きがあることが科学的に証明されています。

卵殻パウダーにお酢を加えると、しゅわしゅわ~と泡立つのが分かる。
これは、卵殻が炭酸カルシウムから酢酸カルシウムになっている証。酢酸カルシウムは、炭酸カルシウムよりも体内での吸収率が更に良い。

とは言っても、お酢を入れ過ぎると食べてくれないので、大型~中型犬なら多くても小さじ1杯程度まで。小型犬なら数滴で十分です。
犬にお酢を大量に与えると胃を荒らしてしまうので、卵殻パウダーと同じく与えすぎには注意しましょう。


手作り食を続けるために、各栄養素のバランスや配分は、常に頭の隅で考えておきたいもの。
個人的には、これも愛犬の手作り食を作る醍醐味だと思っているけれど、大変だし面倒臭いときも勿論あります。

でも、作ったごはんを美味しそうにガツガツ食べて食べてくれる姿を見ると…。やっぱり手作り食っていいなあ、と感じるのでした。

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まるまむ

まるまむ

初めて迎えた愛犬チワワのMaruと暮らしながら、犬の幸せについて日々考えている。 愛犬の肉球の香りが、世界で一番癒される香りらしい。