世界中の人をペットロスから救った、「虹の橋」のお話。
多くの人に語り継がれているこの詩には、続きがあるってご存知でしょうか。
今回は、そんな「虹の橋」の詩の第二部、第三部とされている素敵なお話をご紹介します。
虹の橋の詩に続きがある?
その命を終えた誰かに愛された動物たちは、天国の手前にある虹の橋のたもとで、主人をずっと待ってくれている…というのが、最も有名な「虹の橋」の詩ですが、実は、その続きとされる詩が二つ存在しています。第二部「虹の橋で」は、第一部と同じくAuthor Unknown(原作者不詳)のままですが、第三部は、なんと日本の方が創作されています。
どちらも、とても心に響く詩です。
そしてこの三つの詩をすべて読むことで、「虹の橋」の詩の本当の意味や、伝えたいことを知ることが出来るんじゃないでしょうか。僕はそんな風に感じました。
まずは、第二部「虹の橋で(At the Rainbow Bridge)」をご紹介します。
原文は英語なので、僕なりの解釈を入れつつ、できるだけ読みやすく翻訳してみました。
第二部 虹の橋で(At the Rainbow Bridge)
かつての主人が、いつかここに来る時まで…誰かに愛された動物たちは、みんなで楽しく遊びながら、虹の橋のたもとでその時を待っていました。
ですがその動物たちの中には、少し様子の違う子たちがいます。
それは、虐待されたり、飢えに苦しみ、ここに来るまで誰にも愛されたことのない動物たちでした。
彼らは、仲間たちがそれぞれの大切な誰かと再会し、一緒に虹の橋を渡っていく姿を、うらやましく見つめるばかりでした。
なぜなら、彼らには特別に思う誰かなど、一人もいないからです。
地上にいた頃には、そんな人が現われることは、最期までありませんでした。
ですがある日のこと。
待ち人を持たない彼らが遊んでいると、虹の橋への続く道のかたわらに、誰か人が立っていることに気付きました。
その人は虹の橋のたもとを見つめ、そこで繰り広げられる歓喜の再会を、うらやましそうに眺めているのです。
その人もまた、打ちのめされ、飢え、苦しみ、苦労を重ね、誰からも愛を受けることのなかった存在でした。
ぽつんと一人佇むその人に、愛されたことのない一匹の動物が近付きます。
どうしてこの人は一人なんだろう、そう不思議に思いながら。
そうして、愛されたことのない者同士が近付くと…まさに奇跡が起こったのです。
彼らは、一緒になるべくして生まれてきたのでした。
地上では巡り合うことができませんでしたが、今ここでやっと出会うことができたのです。
この「虹の橋」のたもとで、離ればなれになっていた、ふたつの魂は出会うことができました。それまでの寂しさや悲しみは全て消え去り、二人の友は最後の最後に一緒になったのです。
そして、彼らは一緒に、虹の橋を渡っていきます。
彼らもまた、二度と離れることはありません。
不幸な命にも救いがある、という第二部
悲しいことに、世界には誰からも大切にされず、愛を知る前に命を終える人や動物たちがたくさんいます。ですが、この「虹の橋で」の詩では、そういった人や動物たちも、虹の橋のたもとで巡り合い、唯一無二の親友となって、共に天国に行くのだと表現されています。
つらい目に遭った人も動物も、最後は幸せな気持ちで天国に行ける…、そう勇気をもらえるような詩ではないでしょうか。
日本に存在する、虹の橋の第三部
虹の橋の第三部とされる「雨降り地区」は、日本人の芝山弓子さんという方が創作された散文詩です。ご自身のホームページに、転載可としてこの詩を発表した芝山さんでしたが、愛する5匹の猫たちに寄り添われ、2005年12月に他界されています。(現在、サイトは閉鎖)
今、愛する家族を失って悲しみに打ちひしがれている人にこそ、この「雨降り地区」の詩を読んでもらいたい。
ある日あの子のことを思い出して、辛くなったらこの詩を思い出してもらいたい。
そう思わずにはいられない、心の重荷を、そっと軽くしてくれるような詩です。
第三部 虹の橋「雨降り地区」
こんな風に、幸せと愛の奇跡に満ちている、「虹の橋」の入り口に、「雨降り地区」と呼ばれる場所があります。そこではいつもシトシトと冷たい雨が降り、動物達は寒さに震え、悲しみに打ちひしがれています。そう、ここに降る雨は、残して来てしまった誰かさん、特別な誰かさんの流す涙なのです。
大抵の子は半年もしないうちに、暖かい日差しの中に駆け出して、仲間と戯れ、遊び、楽しく暮らす事ができます。ほんの少しの寂しさと、物足りなさを感じながらも…。
でも、1年経っても2年経っても、ずっと「雨降り地区」から、出て行かない子達もいるのです。
地上に残して来てしまった、特別な誰かさんがずっと悲しんでいるので、とてもじゃないけれど、みんなと楽しく遊ぶ気になれないのです。地上に残して来た誰かさんと同じ辛い想いをして、同じ悲しみに凍えているのです。
死は全てを奪い去ってしまうものではありません。
同じ時を過ごし、同じ楽しみを分かち合い、愛し合った記憶は、あなたの心から、永遠に消え去る事はないのです。
地上にいる特別な誰かさん達の、幸せと愛に満ちた想い出こそが、「虹の橋」を創りあげているのです。
ですからどうか、別れの悲しみにだけ囚われないでください。
彼らはあなたを幸せにする為に、神様からつかわされたのです。
そして、何よりも大事な事を、伝えにやって来たのです。
命の儚さと愛しさを。
束の間の温もりに感じる、慈悲の心の尊さを。
その短い生涯の全てを以って、教えてくれるのです。
癒える事のない悲しみだけを、残しに来るのではありません。
思い出してください。
動物達が残して行ってくれた、形にも、言葉にもできない、様々な宝物を。
それでも悲しくなったら、目を閉じてみてください。
「虹の橋」にいる、彼らの姿が見えるはずです。
信じる心のその中に、必ずその場所はあるのですから…。
「雨降り地区」が前を向く勇気をくれる
「虹の橋」の第一部と第二部を読むと、旅立ったあの子は幸せに暮らしているんだ、そしてまたいつか会えるんだ、と悲しみを和らげることは出来るかもしれません。ですが、大切な家族を失った悲しみの涙を止めることって、なかなか出来ないものです。この「雨降り地区」の詩を知ることで、「いつまでも泣いていたら、あの子のためにならない」と、前を向くきっかけになったという人も多いはずです。
泣きたいだけ泣いたら、その後は雨上がりの美しい虹を見せてあげて、あの子に「もう大丈夫だよ」と教えてあげましょう。
僕自身も、虹の橋のたもとで待っているだろう愛猫を思い出して、時々涙が出てしまうこともあります。でも、少しくらいの涙ならいいんじゃないかって思います。
「おっ、久しぶりの雨だなー」なんて、尻尾を振りながら雨宿りしてるんだろうな…と思うと、それだけで心が軽くなるような気がしますから。
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Eddy.J
一人暮らしの部屋で1ワン1ニャンと同居中。意外と涙もろい。夢は犬猫も一緒にくつろげるカフェを開くこと。
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