愛犬が雷の音を怖がったら、一体どうすればいいの!?
普段聞きなれない雷の音に、いつもと違う反応を見せるワンちゃんはとても多いんです。オロオロしたり、吠えたり、パニックになりそうな愛犬に、私たちはどう接してあげれば良いんでしょうか。
ついつい、優しく抱きしめて落ち着かせてあげたくなりますが…
実は、これは正しい行動ではないって知っていますか?
空に響く雷の音を怖がる愛犬に、飼い主さんが取るべき正しい態度や、騒音恐怖症を克服させるための対策などについて、詳しくまとめました。
犬が雷の音を怖がる理由
犬がこういった類の音を怖がるのは、本能的に大きな音を嫌うことや、音慣れしていないことなどが、主な理由や原因として挙げられます。また、ぱっと見ると怖がっていないように見えても、雷の音に吠えるパターンが続くのも、雷にストレスを感じている証拠です。
さらには、犬自身が恐怖を強く感じているほかに、飼い主さんが雷の音に愛犬がびっくりしないかと心配するあまり、愛犬を過剰に保護しようとする姿に、ワンちゃんの恐怖や不安が倍増してしまうパターンなどもあるんです。
犬が花火や雷などに強く恐怖を感じているとき、主にこんな様子が見られます。
ワンちゃんに、こんな様子はないでしょうか。
雷や花火の音への犬の恐怖反応
- 部屋中をウロウロと徘徊するなど、落ち着きがない
- ドアを引っかくなど、部屋から出たがる
- 尻尾を足の間に入れる
- ヨダレを流したり、頻繁にあくびをする
- 興奮した様子で走り回る
- 吠える行動が増える
- 地面や床を掘ろうとする
- 物陰に隠れようとする
このような恐怖反応がひどくなると、興奮に拍車がかかり、部屋の中の物を壊したり、網戸や窓を突き破って怪我をしてしまう子もいます。
雷がニガテな子は、音が似ていることから花火の音にも、同じ恐怖反応を見せることが多いようです。
花火を怖がる場合にも、雷を警戒するときとよく似た行動を見せます。
騒音へのワンちゃんの恐怖度レベルも紹介しているので、「うちの子は雷が苦手かも…」と感じたら、こちらもぜひ呼んでみてくださいね。
愛犬が雷でパニックに!対処法は?
上記のような恐怖反応の様子が見られたり、異常に吠えるなど、明らかにパニックになりそうな時には、とにかく犬を安心させることが大切です。飼い主さんに守ってもらおうとして近寄ってくることが殆どなので、飼い主さんはいつも通りの態度で接してあげて下さい。ここで、気持ちとしては「大丈夫、守ってあげるから心配しないで~!よしよし!」と、ついつい過剰に反応してしまいがちですが、実はこれは正しい行動とは言えません。
というのも、いつもと違う行動を取る飼い主さんの様子に、犬も「やっぱり変だ!何か起こってるんだ!」と、不安感を煽ってしまうことがあるからなんです。
愛犬が花火や雷にオロオロと怖がる様子を見せたら、飼い主さんは毅然とした態度でいること。吠える姿にも動じずに、「え?なにかあったの?」くらいに、無関心な感じで構いません。
飼い主さんのその様子を見て、愛犬も「あ、大丈夫なんだ」と落ち着きを取り戻してきます。
そうして恐怖行動が治まったら、そこで初めて褒めてあげます。オヤツをあげたり、優しく撫でてあげるなどして、たっぷりご褒美をあげましょう。
こんな点に注意!
花火や雷など、愛犬が苦手な音が近付いてきたら、愛犬の安全確保に徹しましょう。
実際に、花火大会やひどい雷鳴の後には、迷子犬が増える傾向があります。
室内であれば、外に飛び出してしまわないように、窓や扉をしっかりと締めておきます。棚にぶつかって落下物で怪我をしないように、危険そうな物はあらかじめ片づけておくのも忘れずに。
外飼いや散歩中の場合は、首輪やハーネスがしっかり装着されているか確認し、リードを離さないように気を付けましょう。
犬の騒音恐怖症とは?
雷や花火などの音を極度に怖がる、異常に吠える、パニックを起こす場合、それは「騒音恐怖症」という症状で呼ばれます。代表的なものが花火や雷の音ですが、他にも車やバイクのエンジン音、車のクラクション音、工事現場の掘削機の音など…。大きな音でも、特に炸裂音(はじけるような音)を怖がるワンちゃんが多いようです。
犬の騒音恐怖症が起こる詳しい理由などについては、まだ研究段階のようです。ただ、騒音恐怖症は1歳を過ぎた頃から始まり、そこから急速に悪化してしまうケースが多いようなんです。
なので、それまで平気だった愛犬が、ある年から花火や雷を怖がるようになったら、次の年も同じく怖がるでしょうし、場合によっては、昨年よりもずっと酷い状態になる可能性も少なくありません。
来年になったらマシになるかも…と楽観的に考えず、早めに対策を取っておきましょう。
雷を怖がる犬の対策、対処法!
雷に音慣れさせよう!
花火や雷の音が聞こえてきたら、飼い主さんがあわてずに毅然と接するといった対応を続けるうちに、犬も「この音は大丈夫」と学習し、だんだんと恐怖反応を起こさなくなっていきます。とは言っても、普段の生活で花火や雷などの音を聞く機会はあまりないですよね。こういった類の音に怖がる・パニックになる子には、普段から環境音が収録されたCDなどを使って「音慣れ」させるのも一つの手です。
WANモア・レッスン(アウトドア編)
イヌが聴くだけで克服できる生活音トレーニング用CD。 ドアベルやドライヤー、雷、花火などの様々な生活音に慣れ、飼い主さんはもちろんイヌ自身へのストレスを和らげてくれます。
こういったしつけ用のCDは、レンタル店やCDショップではあまり見かけません。ペットショップ等での取扱いが主なようです。
盲導犬を育成する時にも、日常音に必要以上に脅えることが無いように、花火や雷の音が入ったCDを聞かせることがあるようですよ。
吠えるのは信頼が足りないから?
不安を感じると、犬は本能的にリーダーに助けを求めます。これは「リーダーなら何とかしてくれる!」と思っているからで、飼い主さんをリーダーと認めている場合は、この気持ちは飼い主さんに向けられます。
反対に、飼い主さんとの信頼関係が構築できていない時など、犬がまだ「自分がこの家のリーダーだ」と認識している場合は要注意。花火や雷などの「得体の知れない怖い音」を、犬が「自分が何とかしなければ!」と思ってしまいます。すると、危険を知らせようと強く吠える行動が増えたり、興奮やパニックを増長させてしまうことがあります。
普段からしつけやトレーニングを行って、愛犬との信頼関係をしっかりと築いておきましょう。
今日から出来るトレーニングには、こちらがおすすめです(´▽`v)
→<関連記事>「超簡単なしつけ法!犬のリラックスポジションで信頼関係を作ろう」
薬物治療も対策の一つ
重度の騒音恐怖症や、音を怖がるストレスが強い体の負担になってしまうなどの理由から、薬物による治療という対策方法もあります。鎮静剤や抗不安剤を処方し、苦手な音が鳴りそうな気配がしたら頓服する、というものです。薬の耐性や副作用の有無もありますので、試してみたい方は、早めに動物病院で相談してみて下さいね。
雷の怖い音にも慣らしていこう!
花火や雷を怖がり始めたら、それが重症化する前に、早い段階で「音慣れ」させてあげるのが一番かと思います。大事な愛犬が怖がったり、パニックになる姿を見ると、どうしても優しく慰めてあげたくなりますが…それによって、余計に怖がらせていることもあると覚えておいて下さいね。
愛犬と一緒に頑張って、音に対する恐怖心を克服させてあげましょう!
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犬山 はる子
パピーウォーカーの経験から犬に関心を持ち、犬の問題行動やストレスケアについての知識を深める。
現在は3頭の犬と暮らし、犬が与える癒しのパワーに日々お世話になっている。
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