雨の日が多く、家にこもりがちになる梅雨の時期。
ジメジメとしたこの季節は、人間と同じく、犬達も体調を崩しやすい傾向があります。
今回は、梅雨の季節に増えやすい犬の病気や、愛犬の健康管理のポイント、梅雨ならではのお悩みの対策など。
私たち飼い主が気を付けて、愛犬と一緒に梅雨を健やかに乗り切りましょう!
梅雨に増える犬の病気
高温多湿な日本の梅雨時期は、人にも犬にもツライ環境です。この時期の体調不良は、低気圧が体の自律神経に影響して、体調が悪くなりやすいとも言われています。愛犬が、なんだかだるそうにしている、体をやけにかゆがっている、食欲がない…など、病気が増えるのもこの時期特有のこと。
梅雨の季節は、特にこんな病気に注意しましょう。
皮膚疾患
湿度が高い時期は、犬の体に細菌が増殖しやすくなり、それが原因で皮膚炎などを起こすことがよくあります。マラセチアによる皮膚炎や外耳炎、膿皮症が多くみられます。
→愛犬が体をかゆがる!マラセチア皮膚炎とはどんな病気?
また、ノミダニが活発に活動する季節でもあるので、しっかりとノミダニ予防をしておきましょう。
食中毒
梅雨の時期は、他の季節よりも食べ物が腐りやすくなりがち。食べ残しのフードや、生食用の肉なども、あっという間に細菌が繁殖してしまいます。また、フード食器や給水器も清潔に保つことが大切。
食器は念入りに洗って、飲み水も1日のうちに数回は交換してあげるようにしましょう。
膀胱炎
雨の日が続くとなかなか散歩に行けず、オシッコを我慢して膀胱炎になる子も少なくありません。外でしか排泄できない子は、室内でもトイレができるように日頃からトレーニングしてあげることも必要です。
膀胱炎の主な症状は、尿の状態によく現れます。
- 尿の色が濁っている
- ピンク色の尿が出ている
- 頻繁にトイレに行くのに、尿の量が少ない
- 尿が出にくい
この他にも、発熱や食欲不振なども症状の一つです。また、なんだか元気がない様子のときも実は膀胱炎だった、というケースもあります。
普段から、オシッコの状態をよく観察して、異常があればすぐ病院へ!
風邪
雨の日でも散歩に出掛けるワンちゃんに多いのが、風邪のような体調不良。人間と同じく、体が濡れて冷えてしまうと犬も体調を崩しやすくなります。この時期は体を温めることが難しく、寒い季節よりも長引くケースが多いので注意が必要です。
犬に「風邪」の病名はない?
犬は体内でビタミンを生成できるため、厳密には人間と同じ「風邪」という病名はありません。それでも、鼻水やくしゃみ、発熱などの風邪のような症状を起こすことはあります。ウイルスや細菌などに感染することで、気管支や肺が炎症を起こしてしまう症状を「風邪」と呼んでいるようです。
梅雨の病気を防ぐ!4つの健康管理対策
グルーミングを念入りに
被毛や皮膚の細菌繁殖を防ぐには、日々のグルーミングが何より効果的です。ブラッシングや、垂れ耳のワンちゃんの場合は耳掃除も、毎日してあげるのが望ましいところです。それが難しくても、2~3日に1回はケアしてあげましょう。
ブラッシングは抜け毛のケアだけでなく、全身の血行を促進してくれます。また、湿気の多い時期は耳が汚れやすいので、イヤークリーナーなどでこまめに拭いてあげることも。
雨の日の散歩後や、シャンプー後は、しっかりとドライングしてあげます。
ドライヤーを使って、乾きにくいお尻周りやお腹周りを乾かします。脚の肉球まわりも、忘れずに。
被毛や皮膚に水分が残っていると、そこから細菌が繁殖することがあるので気を付けましょう!
身の周りを清潔にする
梅雨の晴れ間に、普段使っているベッドや毛布、首輪なども天日干ししておきます。ケージやマット類も、拭き掃除などをして、しっかりと汚れや被毛を取り除きましょう。愛犬が口に咥えるボールや、ぬいぐるみなどのおもちゃもこまめに洗い、必要であれば熱湯消毒するのもおすすめです。
食べ物の管理を見直す
食べ残しなどは早めに処分し、開封済みのフードはしっかりと封をして、冷蔵庫や冷暗所に保管を。この時期だけは、すぐに食べきれる小分けサイズのフードやおやつを選ぶのも良いと思います。愛犬が口にするものは、可能な限り清潔に保つようにしましょう。
トイレを我慢させないで!
室内で排泄できる子は問題ありませんが、散歩などで外でしか排泄しない子は、注意が必要です。室内でのトイレトレーニングを進めつつ、こまめに外に連れ出して、おしっこを我慢させないようにしてあげて下さい。
梅雨の食欲不振には理由があるかも
梅雨に入ったら、愛犬がごはんを残すようになった。これって、大丈夫??
心配せずにはいられない愛犬の食欲不振。上記に挙げた病気が原因で、食欲が落ちている場合もあります。
ですが、実は犬の食欲は季節で変動することがあるのをご存知でしょうか。
犬の食欲は季節で変わる?
犬には、こういった本能的な体のコントロール機能があるそうです。- 春から夏へ 食欲が落ち、皮下脂肪を薄くして夏の暑さに耐える体をつくる
- 秋から冬へ 食欲が増進し、皮下脂肪を蓄えて冬の寒さを乗り切る体をつくる
元々、寒さに強くて、暑さに弱いのが犬の体質。
ジメジメと蒸し暑い梅雨の時期は、普段よりも体力を消耗しやすい時期でもあります。そのため、活動量を少なくして体力の消耗を防いでいることから、自然と食べる量が減っていることもあります。
全く食べない、ということであれば別に問題があるかも知れませんが、少しだけ食べ残したりするようであれば、少し様子をみてあげるのがいいかもしれませんね。
梅雨を乗り切ろう!
梅雨の時期に増える愛犬の体調不良は、飼い主さんの環境管理によって大幅に防ぐことができます。いつもよりお手入れを念入りにするのは、確かにちょっと大変。
ですが、ブラッシングなどのグルーミングの時間も、愛犬との大切なスキンシップの時間です。
室内で過ごす時間が増える分、新しい遊びを一緒に始めたりして、気軽に楽しく、梅雨の時期を愛犬と乗り切ってくださいね。
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犬山 はる子
パピーウォーカーの経験から犬に関心を持ち、犬の問題行動やストレスケアについての知識を深める。
現在は3頭の犬と暮らし、犬が与える癒しのパワーに日々お世話になっている。
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