犬は人間に比べて、とても吐きやすい生き物です。
愛犬が突然吐いてしまった時は、まず落ち着いて、吐いた物の状態を確認しましょう。
犬が吐いた物によって、緊急性・病気の有無や、対応方法も変わってきます。
今回はその見分け方や、原因ごとの対策について詳しくお話ししていきますね。
犬の嘔吐で危険なケース
犬が吐く場合、緊急性を要するときと、少し様子を見る一過性のパターンに大きく分けられます。まず注意しなければいけないのが、愛犬の身体に異常が起こっている場合。
嘔吐した愛犬に、以下のような様子がないかすぐに確認しましょう。
嘔吐物の状態は?
- 吐いた物に血が混じっている 胃や腸の腫瘍や、潰瘍の疑いがあります。
- 嘔吐物がコーヒー色をしている 重い腫瘍や潰瘍がある場合、出血で黒っぽい色やコーヒー色になります。
- 嘔吐物から便のにおいがする 吐いたものから便臭がするときは、腸閉塞を起こしている可能性が。
- 異物が混じっている おもちゃの欠片やアクセサリーなど、異物が混じってたら要注意。
上記と同じく、腫瘍などの疑いあり。
誤飲した物で、お腹の中を傷付ける可能性があります。
愛犬の状態は?
- 下痢や発熱がある 嘔吐のほかにこのような症状がある場合、緊急性が極めて高いです!すぐ病院へ!
- 何度も吐く 繰り返して嘔吐する場合、異物の誤食、消化器系の病気、毒物による中毒、ウイルス性感染症などの疑いがあります。
- お腹に触ると痛がる 腹痛を感じています。
- 身体を丸めたまま動かない 同じく、お腹に痛みを感じています。
- 吐いたあとに元気がなく、ぐったりしている
- 歯茎の色が青や泥色に変色している
これらの症状は、腸閉塞や胃捻転などの疾患のほかに、なんらかの中毒を起こすことでも見られます。
犬にとって有害な食べ物(タマネギやチョコレート)の誤食や、除草剤のかかった草を誤って舐めた可能性も。
このような様子が見られた場合、愛犬に危険が迫っていると考えて下さい。
緊急性を要することが大半なので、すぐに動物病院へ連れて行きましょう!
一過性の犬の嘔吐の原因と対策
吐いたあとに元気だったり、食欲も問題ない場合には、少し様子をみてあげます。ですが、元気だからもう大丈夫!と油断するのはいけません。愛犬の嘔吐が慢性化して、別の疾患を引き起こす可能性もあります。
なぜ愛犬が吐くのか、その原因もしっかり把握して、適切な対策を取ってあげることが大切ですよ。
早食いによる吐き出し
ご飯をあっという間に食べてしまう、早食いの子に多く見られます。ガツガツとご飯をかっ込んで、そのあとすぐに吐き出してしまいます。
対策としては、1度に与える食事の量を減らして回数を増やしたり、ぬるま湯でフードをふやかすのも効果的です。
ちなみに、うちの早食いワンコには、こんな食器でご飯をあげるようにしています。
凹凸があるので、一度に口に運ぶ量が必然的に減ります^^
洗うのがちょっと面倒ですが、ごはんを吐いてしまうよりは良いですからね(・∀・)
空腹で吐く
以前の記事(「黄色や白色の泡を吐くのは飼い主の責任?」)にも書きましたが、胃が空っぽの状態が長時間続くと嘔吐してしまうケースがあります。この場合は、与えている食事の量や、与えるタイミングなどを工夫することで、吐くことを防ぐことが出来ます。
食べ過ぎによる嘔吐
犬は本能的に、目の前にある食事はすべて食べようとする習性があるんです。野生時代の名残だそうですが、それが自分の消化能力を超えた量でも、食べ続けてしまうのは困りもの。量を減らしつつ、その子の身体に合った食事量を見極めてあげましょう。
車などの乗り物酔い
実は人間と同じく、犬も車に酔ってしまうんです。平気な子は全く車酔いしませんが、車に乗った経験が浅い子ほど酔いやすい傾向があります。
こまめに休憩をはさんだり、車に乗る前後は食事を控えるなど、愛犬の様子をよく見てあげて下さい。
シニア犬の場合
歯の数が減ってきたり、飲み込む力が衰えてきているシニア犬だと、どうしても食べ物を吐きやすくなってきます。食器の高さを工夫したり、フードをやわらかくしてあげるなど、顎周りの負担軽減が必要です。
ワクチンの副作用で吐く?
上記のような原因以外で、少し気を付けてもらいたいことが一つあります。それは、ワクチンの接種後に吐いたとき!
ワクチンの副作用によって、吐いてしまうこともあるんです。
皮膚が赤くなったり、顔がパンパンに腫れてしまうなどの他に、嘔吐も副作用のひとつです。
呼吸困難を起こす子もいるので、あまりにひどい時は病院へ急ぎましょう。
こういった子が時々いることから、かかりつけの動物病院では「ワクチン接種は、なるべく午前中に来てください」と言われています。
副作用が出ても、午後の診察で対応できるからだそうです。なるほど。
愛犬の嘔吐にあわてない!
「犬の嘔吐」といっても、様々な原因や対応方法があります。愛犬が突然吐いてしまったら、まずは落ち着いて、愛犬の様子と嘔吐物をよく観察することが大切です。
動物病院を受診する場合には、嘔吐物を持っていけば検査もスムーズ。
診察時には、吐く前後の様子などについてなるべく詳しく伝えるようにしましょう。
お世話になっている獣医師さんに聞いて、興味深い話がひとつあります。
病気などが原因でない犬の嘔吐の場合、誤飲や誤食が原因なことがとても多いのだそうです。
飼い主さんのアクセサリーや、子供のおもちゃなど「こんなものまで!?」という物まで、犬は口に入れてしまいます。
普段愛犬が過ごすスペースに、誤食してしまいそうな物はないか、よーく気を付けるようにしたいですね。
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犬山 はる子
パピーウォーカーの経験から犬に関心を持ち、犬の問題行動やストレスケアについての知識を深める。
現在は3頭の犬と暮らし、犬が与える癒しのパワーに日々お世話になっている。
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