愛犬の口のまわりや足指の間が赤くかぶれていたり、とても体を痒そうにかきむしっている様子は見られませんか?
その赤みや痒みはもしかしたら、「マラセチア」による皮膚炎が原因かも知れません。
このマラセチア皮膚炎という皮膚炎は、かかる子が比較的多いうえ、治っても再発しやすいというちょっと厄介な皮膚炎なんです。
ということで今回は、犬のマラセチア皮膚炎について詳しくお話していきます。
症状の特徴や治し方、再発防止のコツなどをまとめましたので、愛犬の突然のカイカイに悩む飼い主さんは、参考にして頂ければ幸いです。
マラセチア皮膚炎とはどんな病気?
「マラセチア」は、生き物の皮膚や耳の中に住んでいる常在菌の一種のこと。これは正常な皮膚にいる真菌(カビの一種)なので、健康な皮膚の状態を保っていれば、特に悪さはしてきません。
犬がかゆがる原因は皮膚炎かも
常在菌であるマラセチアそのものに問題はないはずですが、何らかの原因によってマラセチアが異常繁殖してしまうことで、様々な症状を引き起こす皮膚炎になってしまうことがあります。マラセチアが増殖する原因は様々ありますが、特にこの二つの原因が主となっているようです。
- 1.皮脂の分泌量が増えているとき
- 梅雨や夏などの湿度の上がる季節
- もともと皮脂が多い犬種
- 何らかの原因で皮脂が多い状態が続いている(脂漏)
- 2.抵抗力、免疫力が落ちているとき
こんな要因によって皮脂の量が増え、マラセチアがどんどん増殖して、皮膚炎を引き起こしてしまいます。
対策についてはこのあとお話しますが、まずはワンちゃんの皮膚・被毛を清潔に保つことが必要不可欠ですね!
または、体調不良やストレスなど、何らかの原因で犬の体の免疫力が落ちてしまった場合。
こんな時にも、マラセチアが異常繁殖することがあります。
また、皮膚上に繁殖したマラセチアそのものにアレルギー反応を起こして、更に皮膚炎を起こすというパターンもあるようです。
マラセチア皮膚炎の症状は?
愛犬がやけに体をかゆがる素振りがあったら、こんな状態はないか観察してみましょう。- 皮膚のかゆみ、赤み
- 脱毛
- べとつき
- 独特のにおい(少し酸っぱいような甘い発酵臭)
- 脂っぽいフケが出る
マラセチアはじめじめした場所を好むので、きれいにしておくのが難しい、皮脂が溜まりやすい部分で増殖する傾向があります。
マラセチア皮膚炎になりやすい部分
口のまわり、あご下、耳の中、脇下、内股、お腹、指の間、肛門の周りこの部分に赤みがあり、愛犬が痒がるようなら、マラセチア皮膚炎が怪しいと考えましょう。
なりやすい犬種はある?
マラセチア皮膚炎が圧倒的に多いとされるのが、シーズー犬です。その他にも、皮脂の多い犬種や、ホルモン疾患・アレルギー性皮膚炎が多くみられる犬種が、マラセチア皮膚炎になりやすいようです。
<マラセチア皮膚炎になりやすい犬種>
キャバリア、コーギー、柴犬、ダックスフンド、プードル、チワワ、バセットハウンド、コッカー・スパニエル、パグ、ウエスティー、ビーグル、ポメラニアン、マルチーズ、フレンチブルドッグ、レトリバー種
キャバリア、コーギー、柴犬、ダックスフンド、プードル、チワワ、バセットハウンド、コッカー・スパニエル、パグ、ウエスティー、ビーグル、ポメラニアン、マルチーズ、フレンチブルドッグ、レトリバー種
また同じ犬種でも個体差があり、体質的に皮膚が弱い子もいます。
最近やけに体をかゆがるなあ…など、気になる様子が見られたら、上記で紹介したマラセチア皮膚炎の症状に該当しないか、注意深く診てあげてくださいね。
治し方や治療法は?
マラセチア皮膚炎の治療については、基本的に内服薬とシャンプーの二本立てで治療していきます。かゆみなどは早いうちに治まりやすいですが、しっかり治療するには一ヶ月ほどは必要。根気強く続けていきましょう。
- 内服薬
- 薬用シャンプー
- 普段の食事に気を付ける
- 腸内環境を整える
- ストレスを解消させる
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アレルギーの疑いがある場合は、少量のステロイド剤を併用することも。
動物病院でも専用のシャンプーは処方してもらえるので、まずはそれを使ってみましょう。
処方される薬用シャンプーの効果や特徴、市販品を実際に使用した感想なども、こちらの記事に詳しくまとめられています。
マラセチアの再発を防ぐ!3つのコツ
マラセチア皮膚炎は、治療後の再発率が高い病気でもあります。治った~と思って安心していたら、数か月後に再発…なんてことも。
再発を防ぐために、飼い主さんが気を付けておきたいことは主にこの3つです。
皮膚や被毛を清潔に保ってあげる
定期的なシャンプーで、余分な皮脂を取り除いてあげます。とは言っても、毎日シャンプーしてしまうのは皮脂を取り過ぎて逆効果に。その子の皮膚の状態に合わせて、適切なシャンプーのサイクルを考えていく必要があります。
こちらについては、獣医師さんと相談することを強くお勧めします!
湿気に気を付ける
カビの一種であるマラセチアは、湿気などのジメジメが大好き。そのため梅雨や夏など、どうしても湿気が多くなる季節には、エアコンや除湿機などで湿気対策をしましょう。
愛犬の免疫力を上げる
体の免疫力が落ちると、皮膚のバランスが崩れやすくなりがちです。普段から、愛犬の身体の免疫力を底上げする工夫をしてあげます。
また、普段から水分をたくさん摂ってもらうようにすると、体の排泄機能が高まり、免疫力アップにも一役買ってくれます。
ヨーグルトや発酵食品などを、少量与えてあげるのがおすすめです。初めての食べ物を愛犬に与える時は、ほんの少量から始めて、お腹の調子をチェックしてあげて下さいね。
ストレスを溜めさせないのが一番ですが、長時間のお留守番などは避けられないものですよね。その代わりに、帰宅した後にはスキンシップの時間をたくさん取ったり、休日にはヘトヘトになるくらいまで遊んであげるなどして、愛犬のストレスを解消させましょう。
愛犬が体をかゆがる様子があったら…
もしかしたら、マラセチアかも?、といった疑いがある時には、まず一度動物病院で診てもらうことが大切です。マラセチアっぽい症状が出ていても、実は内臓疾患が原因だったり、別のアレルギーによる皮膚炎だったという事もあるんです。
体がかゆいよー、ムズムズするよおーー!!、と言葉に出来ない愛犬たちに、いち早く気付いてあげるのは飼い主さんの役目でもあります。
病院での診察はもちろん、適切なシャンプー、普段の生活で出来る免疫力アップなども上手く活用していくのが、マラセチア完治への近道です。
愛犬の「うーっ、かゆい!」が、早く治まりますように。
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犬山 はる子
パピーウォーカーの経験から犬に関心を持ち、犬の問題行動やストレスケアについての知識を深める。
現在は3頭の犬と暮らし、犬が与える癒しのパワーに日々お世話になっている。