dog52 愛犬の口のまわりや足指の間が赤くかぶれていたり、とても体を痒そうにかきむしっている様子は見られませんか?
その赤みや痒みはもしかしたら、「マラセチア」による皮膚炎が原因かも知れません。

このマラセチア皮膚炎という皮膚炎は、かかる子が比較的多いうえ、治っても再発しやすいというちょっと厄介な皮膚炎なんです。
ということで今回は、犬のマラセチア皮膚炎について詳しくお話していきます。

症状の特徴や治し方、再発防止のコツなどをまとめましたので、愛犬の突然のカイカイに悩む飼い主さんは、参考にして頂ければ幸いです。

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マラセチア皮膚炎とはどんな病気?

「マラセチア」は、生き物の皮膚や耳の中に住んでいる常在菌の一種のこと。
これは正常な皮膚にいる真菌(カビの一種)なので、健康な皮膚の状態を保っていれば、特に悪さはしてきません。


犬がかゆがる原因は皮膚炎かも

常在菌であるマラセチアそのものに問題はないはずですが、何らかの原因によってマラセチアが異常繁殖してしまうことで、様々な症状を引き起こす皮膚炎になってしまうことがあります。

マラセチアが増殖する原因は様々ありますが、特にこの二つの原因が主となっているようです。

  • 1.皮脂の分泌量が増えているとき
  • マラセチアが繁殖するには、栄養である皮膚の「皮脂」が欠かせません。

    • 梅雨や夏などの湿度の上がる季節
    • もともと皮脂が多い犬種
    • 何らかの原因で皮脂が多い状態が続いている(脂漏)

    こんな要因によって皮脂の量が増え、マラセチアがどんどん増殖して、皮膚炎を引き起こしてしまいます。
    対策についてはこのあとお話しますが、まずはワンちゃんの皮膚・被毛を清潔に保つことが必要不可欠ですね!


  • 2.抵抗力、免疫力が落ちているとき
  • アトピーや、他の皮膚炎によって抵抗力が落ちているとき。
    または、体調不良やストレスなど、何らかの原因で犬の体の免疫力が落ちてしまった場合。

    こんな時にも、マラセチアが異常繁殖することがあります。

    また、皮膚上に繁殖したマラセチアそのものにアレルギー反応を起こして、更に皮膚炎を起こすというパターンもあるようです。
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マラセチア皮膚炎の症状は?

愛犬がやけに体をかゆがる素振りがあったら、こんな状態はないか観察してみましょう。
  • 皮膚のかゆみ、赤み
  • 脱毛
  • べとつき
  • 独特のにおい(少し酸っぱいような甘い発酵臭)
  • 脂っぽいフケが出る

マラセチアはじめじめした場所を好むので、きれいにしておくのが難しい、皮脂が溜まりやすい部分で増殖する傾向があります。

マラセチア皮膚炎になりやすい部分

口のまわり、あご下、耳の中、脇下、内股、お腹、指の間、肛門の周り

この部分に赤みがあり、愛犬が痒がるようなら、マラセチア皮膚炎が怪しいと考えましょう。


なりやすい犬種はある?

マラセチア皮膚炎が圧倒的に多いとされるのが、シーズー犬です。

その他にも、皮脂の多い犬種や、ホルモン疾患・アレルギー性皮膚炎が多くみられる犬種が、マラセチア皮膚炎になりやすいようです。

<マラセチア皮膚炎になりやすい犬種>

キャバリア、コーギー、柴犬、ダックスフンド、プードル、チワワ、バセットハウンド、コッカー・スパニエル、パグ、ウエスティー、ビーグル、ポメラニアン、マルチーズ、フレンチブルドッグ、レトリバー種

また同じ犬種でも個体差があり、体質的に皮膚が弱い子もいます。
最近やけに体をかゆがるなあ…など、気になる様子が見られたら、上記で紹介したマラセチア皮膚炎の症状に該当しないか、注意深く診てあげてくださいね。

治し方や治療法は?

dog45 マラセチア皮膚炎の治療については、基本的に内服薬とシャンプーの二本立てで治療していきます。
かゆみなどは早いうちに治まりやすいですが、しっかり治療するには一ヶ月ほどは必要。根気強く続けていきましょう。

  • 内服薬
  • 抗真菌剤や、抗生物質を使います。
    アレルギーの疑いがある場合は、少量のステロイド剤を併用することも。

  • 薬用シャンプー
  • マラセチア菌の増殖を止め、減らす作用のあるシャンプーを使います。
    動物病院でも専用のシャンプーは処方してもらえるので、まずはそれを使ってみましょう。

    処方される薬用シャンプーの効果や特徴、市販品を実際に使用した感想なども、こちらの記事に詳しくまとめられています。
    愛犬のマラセチアや皮膚トラブル!おすすめ薬用シャンプー4つ!
    愛犬エドモンがマラセチア皮膚炎にかかり、治ってはぶり返すを繰り返すこと数回。獣医師さんのアドバイスで症状のレベルに合わせた…(続きを読む)

    マラセチアの再発を防ぐ!3つのコツ

    マラセチア皮膚炎は、治療後の再発率が高い病気でもあります。
    治った~と思って安心していたら、数か月後に再発…なんてことも。

    再発を防ぐために、飼い主さんが気を付けておきたいことは主にこの3つです。


    皮膚や被毛を清潔に保ってあげる

    定期的なシャンプーで、余分な皮脂を取り除いてあげます。
    とは言っても、毎日シャンプーしてしまうのは皮脂を取り過ぎて逆効果に。その子の皮膚の状態に合わせて、適切なシャンプーのサイクルを考えていく必要があります。

    こちらについては、獣医師さんと相談することを強くお勧めします!

    湿気に気を付ける

    カビの一種であるマラセチアは、湿気などのジメジメが大好き。
    そのため梅雨や夏など、どうしても湿気が多くなる季節には、エアコンや除湿機などで湿気対策をしましょう。

    愛犬の免疫力を上げる

    体の免疫力が落ちると、皮膚のバランスが崩れやすくなりがちです。
    普段から、愛犬の身体の免疫力を底上げする工夫をしてあげます。

    • 普段の食事に気を付ける
    • ドッグフードの質を少し上げてみたり、治療期間だけ手作り食にしてみるのも一つの手です。アレルギーの可能性がある子は、アレルギー用のフードも活用しましょう。

      また、普段から水分をたくさん摂ってもらうようにすると、体の排泄機能が高まり、免疫力アップにも一役買ってくれます。

    • 腸内環境を整える
    • 免疫力アップには、人間と同じく腸を健康にすることが大切。
      ヨーグルトや発酵食品などを、少量与えてあげるのがおすすめです。初めての食べ物を愛犬に与える時は、ほんの少量から始めて、お腹の調子をチェックしてあげて下さいね。

    • ストレスを解消させる
    • 愛犬が強いストレスを感じたり、欲求不満や運動不足などによるストレスが溜まることも、体の免疫力ダウンに繋がってしまいます。

      ストレスを溜めさせないのが一番ですが、長時間のお留守番などは避けられないものですよね。その代わりに、帰宅した後にはスキンシップの時間をたくさん取ったり、休日にはヘトヘトになるくらいまで遊んであげるなどして、愛犬のストレスを解消させましょう。

    愛犬が体をかゆがる様子があったら…

    もしかしたら、マラセチアかも?、といった疑いがある時には、まず一度動物病院で診てもらうことが大切です。

    マラセチアっぽい症状が出ていても、実は内臓疾患が原因だったり、別のアレルギーによる皮膚炎だったという事もあるんです。

    体がかゆいよー、ムズムズするよおーー!!、と言葉に出来ない愛犬たちに、いち早く気付いてあげるのは飼い主さんの役目でもあります。
    病院での診察はもちろん、適切なシャンプー、普段の生活で出来る免疫力アップなども上手く活用していくのが、マラセチア完治への近道です。

    愛犬の「うーっ、かゆい!」が、早く治まりますように。

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    犬山 はる子

    犬山 はる子

    パピーウォーカーの経験から犬に関心を持ち、犬の問題行動やストレスケアについての知識を深める。 現在は3頭の犬と暮らし、犬が与える癒しのパワーに日々お世話になっている。