dog252 空前のペットブームと言われている昨今。
街のペットショップには、いつでも小さくて可愛い子犬や子猫が並んでいます。

そんな中で、他の子犬たちに比べて価格が大幅に割り引かれ、いわゆる「売れ残り」になってしまった子を見たことはありませんか?

里親が見つからなかった場合、この「売れ残りの子」達はどうなるのでしょうか。一見して華やかに見えるペットショップや、ペット業界の裏側には、目を覆いたくなる残酷な現実があるのも事実なんです。

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売れ残りの犬はどうなる?里親は?

ペットショップで最も犬が「売れる」のは、生後2か月前後。
この時期を過ぎると徐々に人気がなくなり、生後半年を過ぎると、ほぼ買い手が付かなくなるのだそうです。

大抵、生後半年以降の子は値引きされ、日を追うごとにどんどん値下がりしていきます。人気犬種でも、大きくなっただけで2~3万円という破格に。「値段が安い=飼うハードルが下がる」という人間の心理があるため、この時点で買い手が決まる可能性も、そこそこ高いようです。


それでも、買い手が見つからなかったら…
売れ残りになった犬達には、こんな道が残されています。


里親を探す、店で飼う

売れ残りになってしまった犬にとって、これが一番幸せな選択だと思います。

値段を付けて売れないので、無償で「引き取ってくれる人」を探します。ショップで募集したり、スタッフやスタッフの知人などにも聞いていくようです。

どうしても里親が見つからない場合、ショップで飼うという選択も。
看板犬にもなるし、ドッグフードやトリミングは店側で何とでもなるので、維持費が抑えられるのだとか。


色々と調べてみましたが、売れ残りの犬が出ても「どうにかして里親を探す」「店で飼う」というところで食い止めている、良識あるペットショップもあると知って、少し安堵しました。残念ながら、数はかなり少ないとは思いますが…

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[僕の愛犬エドモンも、売れ残り犬でした(その話は後ほど)]


生まれた犬舎(ブリーダー)へ帰る

その子が生まれたところへ、帰されることもあるようです。

良識あるブリーダーの場合、その後も犬舎で健康に元気に育ててくれます。繁殖に使われることもありますが、それでも常識の範囲内での繁殖サイクルであるはず。
清潔な環境で、充分な食べ物と水を与えられて暮らすことは、犬にとっても幸せなはずです。


問題視されているのは、ここから先。
これ以上は、犬にとって辛い道しか残っていません。

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ペットショップで売れ残った犬の行く末

悪徳ブリーダーの犠牲に

同じブリーダーでも、いわゆる「悪徳」とされる所へ引き取られる場合があります。
劣悪な環境で最低限の水と餌だけを与え、メス犬は発情期の度に子犬を生まされ、オス犬は使えなくなるまで繁殖させ続けます。

薄利多売主義のブリーダーのもと、パピーミル(子犬を生み出す工場)の犠牲となってしまうわけなんです。そんな環境に放り込まれた犬達は、ぼろぼろになり、短い寿命を終えることになります。


動物実験業者へ

法律上、ペットショップなどの動物取扱業者が、行政へ動物を持ち込むことは違法ではありません。というよりも、日本には動物実験に関する規制がないのが実情です…。

動物実験を行っている施設が、どこから実験用の動物を仕入れているのか、何頭所有しているのか、どこも把握していないんです。それを考えると、売れ残りで行き場を失くした犬達を、動物実験に流用しようと思う業者がいても、おかしくはありませんよね。


保健所で殺処分

dog249 数年前、ブリーダーが売れ残りペットを保健所に持ち込み、処分していることが明るみに出ました。

これがきっかけかは不明ですが、2013年に動物愛護法が改正。終生飼養の義務が明確になり、保健所へペットを持ち込む際のルールが厳しくなりました。(個人名や持ち込み理由の明確化など)

とはいえ、売れ残りの犬達を小分けにして、個人名で保健所へ持ち込めば、深く追求はされません。規制の抜け道を使って、今でも売れ残りのペットが殺処分され続けているのは事実です。


悪質業者によって処分

以前のように簡単に保健所へ持ち込めなくなったため、処分を請け負う悪質業者も後を絶ちません。
山中に犬を繋いだまま放置したり、生きたままビニール袋に犬を入れ、冷蔵庫に入れて死なせるなど…これを専門にしている闇業者までいるのだとか。想像するだけでも吐き気がするし、憤りを感じるひどい話ばかりです。

売れ残り犬の里親になった僕

うちの愛犬のエドモンは、ミニチュアダックスフンドの男の子。
何となく立ち寄ったペットショップで、他の子犬たちよりずっと大きくなり、破格の値段を付けられていた彼を見たのが最初でした。

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[今では僕の人生に欠かせないパートナー]

終始オドオドしていて、人目を避けるように端っこでうずくまっていて。お前、そんなので新しい家族が見つかるのか…?と不安になったのを覚えてます。何日経ってもその姿が忘れられず、相変わらず彼はショップで人目を避けるようにうずくまる日々。
元々犬を飼おうと思っていたこともあって、意を決して彼を引き取ることにしました。

エドモンと名付けた愛犬は、今でもビビりで臆病な子ですが(恐らくこれは元々の性格)、僕の人生になくてはならない大切な存在です。もしあの時、僕が彼の家族にならなかったら?引き取り手がどこにも見つからなかったら?…そう思うと、胸が苦しくなります。

ペット後進国はいつまで続く?

動物愛護法などの改正は少しずつ進んでいますが、他の先進国に比べて、圧倒的に「ペット後進国」なままの日本。
人間のせいで「売れ残り」のレッテルを貼られてしまう子が消え、すべての犬や猫たちが幸せに暮らせるような、そんな国になるまであと何年、何十年かかるのでしょうか。


前向きな捉え方をしてみると、ここ最近になって、メディアでも犬や猫の保護活動についてクローズアップされるようになってきました。
ゴールデンタイムの人気番組でも、保護犬に関するコーナーが始まったりするなど…少しずつですが、時代の流れを感じるところでもあります。

これを機に、日本のペットビジネスを改めて見直すきっかけになってもらいたいなあ、と願ってやみませんね。

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