dog326 秋になると、散歩コースの道に銀杏が落ちていること、ありませんか?
犬にとっても興味深いのか、クンクンと匂いを嗅いだり、時にはそのまま犬が口に入れてしまうこともある銀杏。

実は、銀杏は犬に食べさせてはいけない食べ物なんです
秋口は食卓にも加わることがある銀杏ですが、愛犬がそれを食べて中毒を起こすというケースが毎年起こっています。

ということで今回は、犬と銀杏の関係について。
中毒症状を起こしたときの症状や、対応方法についてご紹介していきます。

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犬が銀杏を食べるのは厳禁!

味や香りが好まれている銀杏ですが、私たち人間でも、大人が銀杏を40~50粒食べると中毒症状を起こすとされています。

おつまみ感覚で銀杏を数粒楽しむ人が多いので、一度にそこまで大量に食べることはあまりないと思います。そのため、銀杏の中毒については目立って危険視されていないような気も。

ですが子供だと、7粒程度で中毒になる可能性があるようなんです。
しかもこの量には個人差があり、幼児の場合はたった数粒で中毒症状を起こしたという例も


犬は子供より中毒を起こしやすい?

一般的に、中毒症状を起こしやすいかどうかは解毒能力に左右されます。

大人に比べて解毒能力が発達していない子供が、少しの量を食べるだけ中毒を起こすのはそのためです。犬などの小動物は人間以上に解毒力が弱いため、数粒の銀杏でも、高確率で中毒を起こしてしまうわけですね。

タマネギやチョコレートほど身近な食品ではないので、あまり注目されていませんが、銀杏も犬にとっては毒性の高い食べ物です。

実際に銀杏の季節になると、愛犬が銀杏を食べてしまった!という相談があちこちで増え始めます。散歩コースで拾い食いしてしまったり、テーブルから盗み食いしたり…状況は色々と考えられます。

犬の銀杏中毒の症状

では、犬が銀杏を食べたことで中毒を起こした場合、どんな症状が出るのでしょうか。

銀杏中毒の症状


  • ハアハアと呼吸が荒くなる、呼吸困難
  • けいれん、めまい、ふらつき
  • 消化不良、嘔吐、下痢
  • ぐったりとする、発熱
  • 下肢の麻痺、意識混濁
人間が銀杏中毒を起こした場合と似た症状を起こし、特に症状として目立つのが、嘔吐やけいれんです。


栄養価の高い銀杏は、古来から滋養強壮の薬としても珍重されてきました。
ですが「薬にも毒にもなる」のが銀杏の特性で、銀杏に含まれるメチルビリドキシンという毒素によって中毒を起こすとされています。

メチルビリドキシンを過剰摂取すると、体内でビタミンB6の作用を阻害してビタミンB6欠乏症を起こします。ビタミンB6は神経伝達物質の合成にも関わる物質で、欠乏すると神経伝達の抑制が効かず、中枢神経が異常興奮を起こし、けいれんなどの症状を発症します。

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愛犬が銀杏を食べたかも!?

どれだけ注意していても、散歩中の道に落ちていた銀杏を拾い食いしたり、飼い主さんの目を盗んでテーブルから盗み食いされてしまうことは有り得ます。

あっ!銀杏を食べちゃった…!!
…そんな時は、焦らずにこんな対応を心掛けましょう。

  • 愛犬を落ち着かせる
  • 銀杏中毒は神経の異常興奮によって引き起こされるので、静かで落ち着きやすい場所へ移動させてあげましょう。
    風通しがよく、季節によっては冷房や暖房を使って過ごしやすい環境をつくってあげます。


  • 発症には1~12時間かかる
  • 「さっき銀杏を食べたみたいだけど、元気そうだし大丈夫かな?」
    そう思いたくなりますが、銀杏は食べてから症状が出るまで、最大で12時間ほどかかります。
    状況によっては、愛犬がお留守番中に嘔吐やけいれんをし始めることも考えられるので、食後半日以上は注意深く観察して、愛犬のそばに付き添ってあげて下さい。


  • 嘔吐して銀杏が出てくることも
  • 犬は異物を誤飲しても、反射的に嘔吐して異物を排出する行動をします。
    食後に愛犬が「オエーッ」としたら、嘔吐物に銀杏が混じっていないかよく見てみましょう。


  • 無理に吐かせるのは危険?
  • 危険な物を犬が誤飲した場合、一般的な処置として「吐かせる」ことがあります。

    ですが、銀杏を食べたときに限って言うと、安易に吐かせるのは危険を伴うことがあります。
    というのも、無理に吐き出させることで神経が刺激され、中毒症状であるけいれんが誘発される可能性が高いんです
    既に中毒症状が出ているようであれば、愛犬に自主的に吐かせるだけにしておきましょう。

    反対に、銀杏を食べた直後など、胃に入ってすぐのタイミングであれば吐かせるのも効果があります。
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強い銀杏中毒の症状が出たら、すぐ病院へ!

dog322 嘔吐や痙攣を繰り返す、血尿や下痢、意識がもうろうとしている、そんな状態であれば、すぐに動物病院へ連れて行きましょう!

また、食べたと思われるのに元気そうにしている場合でも、時間をおいて症状が出ることも充分考えられます。
早めに動物病院の診察を受け、その時は食べた銀杏の量と、食べてからの経過時間について、忘れずに伝えるようにして下さいね。

愛犬の銀杏中毒を防ごう!

銀杏は栄養豊富で、昔から季節の食べ物としても好まれてきました。
毒性があると注目され始めたのも、つい最近のように思います。

愛犬が興味を示すと、ついついおすそわけしてしまいたくなりますが、銀杏は犬にとって毒です。軽い気持ちで食べさせた銀杏が、愛犬の命を脅かすことも…

犬にとって毒性の高い食べ物や、中毒についての知識をしっかりと持っておき、愛犬の健康を守ってあげて下さいね。

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犬山 はる子

犬山 はる子

パピーウォーカーの経験から犬に関心を持ち、犬の問題行動やストレスケアについての知識を深める。 現在は3頭の犬と暮らし、犬が与える癒しのパワーに日々お世話になっている。